バイエルン州の北部にある、ライプツィヒと並ぶドイツの音楽の都の1つ。19世紀のリヒャルト・ヴァーグナーの活躍は、当時繁栄を謳歌していたバイロイトの都に花を咲かせ、現在に至る音楽の街としての地位を確立させた。
バイロイト音楽祭は今や全世界における最も有名なクラシック音楽祭のひとつであり、このイベントなしでこの町の観光は語れないほど有名である。
音楽ファンはもちろん、18世紀以降に大きく繁栄した華やかな町並みを見に来る観光客も多い。
バイロイトが文献上に登場したのは、1194年。13世紀前半には都市権を得る。その後一時は都が置かれるなど発展するが、17世紀前半に大火災、ペストの流行、30年戦争など数々の災害に巻き込まれ、深刻な打撃を受けることとなる。しかし、1735〜1763年にかけてフリードリヒとヴィルヘルミーネの辺境伯夫妻の治世なるとバイロイトの発展は頂点を迎え、現在見られる数多くの印象的な建造物が建てられる。また、19世紀には音楽家ワーグナーも活躍し、現在のバイロイト音楽祭へと繋がっている。大戦ではナチスの本拠地だった為に徹底的に破壊されるが、現在ではかつての町並みが復興され、ドイツ音楽の都として世界中から観光客が訪れる。
Data
帰属連邦州 | バイエルン州 |
人口 | 73,097人(2007年) |
街道 | 古城街道 |
祭り | バイロイト音楽祭(毎年7〜8月) |
縁の偉人 | リヒャルト・ヴァーグナー/リスト |
おすすめ度 | ☆☆☆ |
キャッチフレーズ | ドイツ音楽の小都 |
公式サイト | http://www.bayreuth.de/ |
Map
バイエルン州の北部に位置し、東にはチェコ共和国も近い。チェコとの間にはフィヒテル山地が広がり、豊かな自然と雄大な景色も見られる。また、南方約10キロ程度の所から、マイン川の源流である赤マイン川が湧き、そのまま市内を流れ、ヴュルツブルクやフランクフルトへと続いていく。
Access
■ ミュンヘンからREで約3時間50分
(ニュルンベルクで乗換)
■ ニュルンベルクからREで約1時間
■ バンベルクからREで約1時間15分
■ フランクフルトからICE/IREで約3時間10分
(ニュルンベルク経由)
バイエルンチケットを使用すると、週末と平日9時以降、普通電車(RE/RB)とバスであれば、5人まで有効で28ユーロで乗り放題です。1人でも20ユーロです。
オペラなんて聴かないって人にとっちゃ、まったく興味も湧かないのがバイロイトだと思う。自分もその1人。クラシックは大好きなんだけど、オペラはやっぱり食わず嫌い・・・。ファンの方にしてみれば、人生損してるって言われそうだけど。バイロイトのヴァンフリート荘を目の前にしても、ここもクラシックの歴史上重要な1ページって実感はあったけど、それ以上の感慨もなかった。
この町を有名にしているワーグナー。『歌劇王』と評され、オペラ界の頂点に君臨する偉大な音楽家だ。凄い人物なんだな・・・とは思うけど、やっぱり興味がないとそれ以上知ろうとも思わないのが人間の性。じゃあちょっとでも身近に感じるように、彼の有名な音楽をいくつか挙げてみる。
『ワルキューレの騎行』
『婚礼の合唱』
いずれも、知らぬ人はいないほど有名すぎる曲。というか、パっと思い浮かぶのはこの2曲しかない。やはり僕も、ワーグナーに関しては平均的な日本人ぽい。
そんなワーグナーが晩年を過ごしたのが、このバイロイト。彼自身のオペラの演奏会場として建てられた祝祭劇場は、今や世界的に有名な歌劇場のひとつ。でも・・・バイロイト最大の見所のはずなのに・・・行けば見つかるだろうくらいの気持ちで下調べもなく訪れてしまって、結局どこにあるのかわからなかった。
そしてため息をつきながらニュルンベルクに向かう帰りの電車の中、バイロイトで撮った写真を眺めていたら・・1枚だけ不思議な写真があるではないか!心霊写真か!といいたくなるようなその1枚は、バイロイト駅前で遠くの緑を撮った写真。なんと、その緑の中からちらっと祝祭劇場がこっちを覗いていたのだ。
唖然・・・。こんなところに・・・。。。旧市街と逆方向じゃないか!・・・でももう遅い。
こんなエピソードがあるくらい、本当に何となく行ってみただけの町。だって、電車で1時間程度のところには、バンベルクとニュルンベルクという、バイエルンでも屈指の観光都市があるのだから・・・。ちょっと乗り継ぎの時間が余ったから、1時間だけ寄ってみようくらいにしか思わなかったのだ。そんなこんなで、とてもいつものような紹介記を綴れるほどの体験はないのです・・・。
でも、僕と同じ様に、バンベルクやニュルンベルクのついでに行ってみようという方はけっこういるはず。そういう方にひとこと。
正直いって、観光都市としての魅力で言えば、バンベルクは上の2つの町とは比較できない。でも、月並みですが、少しでもワーグナーのことを調べてから行ってみてください。彼のことをよく知れば、バイロイトは180度魅力的な町へと大変身するはずです。それだけ、観光要素としてはワーグナーへの比重が大きいから。
どんな町にでもその町にしかない魅力がある。美人には一目惚れってのがあるけど、その人のことをよく知ることが、本当に好きになる第一歩ですもんね。
・・・なんか変な例えになってしまったけど、ミュンヘンやニュルンベルクは一目惚れしても、バイロイトのような街もあるってことです・・・
・・・・・・
なんかドツボにはまりそうなので、バイロイトの紹介記はこの辺で終わりにします。。。
-町の小窓たち- |
|||
詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜バイロイト〜でご紹介中です。
文中にあったように、この町の滞在時間はわずか1時間でした。クラシックファンの僕にとっても、ワーグナーにはほぼ興味がありませんでしたので・・・(その時点でクラシックファンと言えない?!)ですが、帰国した今、ワーグナーの『ニーベルングの指環』に興味が湧いてきました!なかなか聴く機会がないのですが、きっとハマル時がくると思っています。でもその時には・・・この中途半端すぎる旅行を後悔することになりそうです。。。
バイロイトは、私自身、正直公に語れるほど観光していません。あまり無責任なことはいえないのでほとんどご紹介できないですが、クラシックファンにとっては間違いなく聖地のひとつです。
ヴァンフリート荘 | ドイツの19世紀の偉大な作曲家リヒャルト・ワーグナーが、妻である音楽家リストの娘コジマと暮らした家です。オペラで大変有名な作品を数多く残したワーグナーは、世界でも最も偉大なオペラ作曲家の1人です。そして、建物の正面にある胸像は、ワーグナーの大ファンであるノイシュヴァンシュタイン城を建てたルートヴィヒ2世のものです。彼は、ワーグナーの為に、この建物に対して資金援助をしたそうです。現在ではワーグナー博物館として公開されており、世界の音楽ファンにとっては重要な観光スポットです。 |
旧市街 | 18世紀半ばに、当時ドイツ最強を誇ったプロイセン国王フリードリヒ大王の妹であるゾフィ・ヴィルヘルミーネにより、バイロイトは黄金期を迎えました。美しく華やかな宮殿も建てられ、歴史的建造物も合わせて非常に美しい町へと大発展を遂げましたが、皮肉なことに、ナチスのヒトラーが、現在この町を世界的に有名にしているワーグナーの大ファンだった為、連合軍の徹底的な攻撃によって壊滅的被害を被りました。現在では、繁栄期のような美しい街並みも復活しましたが、大戦の爪痕は、中世の町としての名を消し去ってしまったことに現れているように感じます。 |
祝祭劇場 | 有名なバイロイト音楽祭が行われる舞台です。バイロイト音楽祭は別名リヒャルト・ワーグナー音楽祭とも呼ばれ、彼の偉大な作品が振舞われることで世界的に非常に有名かつ重要な音楽イベントとなっています。 |
華やかな歴史を持っていたのが信じられないほどのどかな感じの町並みですが、それが逆にこの町の温かさを示していると思います。比較的近郊にはニュルンベルクやバンベルクといった素晴らしい観光地がありますが、そことはまた違った雰囲気の味わえる町ですよ。
HOME > ドイツ旅行Terminal > このページのTOPへ戻る | コメントする