グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」で、ドイツの町では世界でも屈指の知名度を誇る町。また、ハンブルクに次ぐドイツで2番目の港町ということでも知られる。
旧市街の一部は世界遺産にも登録され、中世には北ドイツ憧れの都とも評されるほどに繁栄。正式名称は「自由ハンザ都市ブレーメン」といい、中世のハンザ同盟の気風を残した、風格ある大都市である。
地理的に交易の重要地点であった為、787年には時のカール大帝により司教管区が設置され、北ドイツ以北のキリスト教布教の拠点として非常に重要な都市となる。その後、神聖ローマ帝国自由都市としての特権も与えられ、1358年にハンザ同盟に加盟したのを皮切りに、 経済的にも政治的にも極めて重要な都市へと発展する。また、多くの都市が荒廃した三十年戦争の際も独立を守り、北ドイツ憧れの都と形容されるまでに繁栄を見る。しかし17世紀以降は、スウェーデンやハノーファー王国の支配下に置かれ、1866年にはプロセインに併合。大戦では壊滅的な被害を受けたが、美しい街並みは復元され、現在でも自由ハンザ都市を掲げて中立的な都市を保っている。
Data
帰属連邦州 | ブレーメン州(ブレーメン特別市) |
人口 | 547,360人(2008年12月) |
河川 | ヴェーザー川 |
祭り | フライマルクト(毎年10月) |
お土産 | ブレーメンの音楽隊グッズ |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ |
キャッチフレーズ | 中世北ドイツ憧れの都 |
公式サイト | http://www.bremen.de/ |
Map
海抜は11メートル程と低く、外海に近いヴェーザー川の河畔に位置する。市内ではヴェーザー本流の他にも幾つもの水路があり、旧市街を囲むように緑が多く育まれている。また、同じブレーメン州をなすブレーマー・ハーフェンという都市はヴェーザー川の河口に位置する港湾都市である。
Access
■ ハンブルクからME(普通電車)で約1時間15分
■ ハノーファーからREで1時間20分
※REは普通電車です。ニーダーザクセン州内及びブレーメンとハンブルクであれば、週末と平日9時以降は、ニーダーザクセンチケットが使えます。IC、ICE、EC以外は5人まで有効で28ユーロで乗り放題ですので大変お得です!シングルでも20ユーロです。
メルヘンのシンボル都市に、今尚漂う中世の風
見回すと、茶色に焼けたような、建物のレンガの壁
でも
1000年前にはもっと鮮やかな色で
その風が吹き付ける度、色を茶色へと変えていったのかなぁ
・・・なんて思わせるような、長い長い歴史を感じてしまう
そんな赤壁の下に
小さな像がちょこんと佇んでいる
さびたような金属の匂いが漂ってくる
それに比べて
すぐそこの広場の真ん中には
堂々と面を上げて町を見つめる石の像
なんだか対照的なものを感じる
ブレーメンといえば、ハンブルクと並び評される中世ドイツの大都市だ!でも、世界的に言うと、何といってもあのお話が有名・・・そう、『ブレーメンの音楽隊』
そのブレーメンに憧れ、「音楽隊として生きるぞー」って旅に出かけたのは
もはやよぼよぼに近い、ロバとイヌとネコとニワトリさん
でも、彼らはその旅路で盗賊たちの住処を見つけ・・・
奴らの食べていたごちそうに目がくらみ・・・
チームワークでやからを追い出し・・・
自分たちが家をのっとってしまう!
そして今度は自分たちがそこで幸せに暮らしましたとさ
って話。
うぬ、実に頼もしいじゃないか。
この話、色んな捉え方があるようだけど・・・
・一線を退いた爺さんたちが、第2の人生を花開かせるっていう希望のお話
・まだまだ俺たちにだってやれるんだ!っていうお年寄りを勇気付けるお話
・1人では非力であっても、チームワークで力を出し合えば乗り越えられるってお話
・ブレーメンなんて大都市に行かずとも、人生を楽しく生きる方法はあるんだぜっていうお話
うん、実に素晴らしい。現代社会に訴えるものがありすぎるくらいの内容。
それにしても、こんなヒーローたちが何であんな隅っこでちょこんと佇んでいるんだろう・・・。
世界遺産のブレーメン市庁舎の脇に、このブレーメンの音楽隊の像がある。
ともすると気づかれないような場所
これだけ有名なのに、全然目立たない
でも・・・
小さな4匹のお年よりたちの顔を眺めていたら、
ここでこうして静かに佇んでいる方がいいのかなって思った。
だって・・・こんな弱々しい彼らにでも、盗賊たちをやっつけられたんだ。
飼い主に捨てられたからって、やればできるんだ。
小さな自分でも、不遇な自分でも、年をとってしまった自分でも、
絶対にやれることがあるんだ!っていう気持ちにさせてくれる。
なんだか幸せな気分になった。
そしてその後に見たのは、広場の真ん中に立つ堂々たる像
ブレーメンのシンボルである、世界遺産の『ローラント像』
今度こそ噂に違わぬ、その大きさと圧倒的な存在感
それを見たとき、こんな気持ちが湧き上がってきた。
こんな力強いシンボルがあるからこそ
小さなブレーメンの音楽隊は、あの陰にいられるんだなって
あそこにいるからこそ、彼らは彼らの味を出せるんだなって
ローラント像があって、音楽隊は生きる
音楽隊があってこそ、ローラント像も生きる
両方揃って、ブレーメンのシンボルを成しているだなって
遥か昔、ローラント像を誇る、帝国の都を目指したブレーメンの音楽隊。
彼らはその時辿り着くことはできなかったけど、現在でも世界中からたくさんの人たちがブレーメンに足を向ける。
今も昔も、憧れの都ブレーメン
「ロバさん、イヌさん、ネコさん、ニワトリさん、ブレーメンに着けてよかったね!」
ついに本来の夢を達成した彼らの顔は、本当に幸せそうに見えた。
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ブレーメン〜でご紹介中です。
ブレーメンといえば音楽隊ですので、今回はその音楽隊に焦点を当てて書いてみました。その中で、もう1つのシンボルであるローラント像の偉大さも更に増したと思っています。
少子高齢化でお年寄りの問題が山積する中、今読み返して見ると本当に素晴らしい話だなって思います。ブレーメンに行く際には、音楽隊の話をもう一度読み返してください!大人になって読んでの新発見も多いと思いますよ。
ハンブルクとハノーファーの中間近くに位置するブレーメン。交通の便も最高で、北ドイツを訪れる際には絶対に立ち寄っておきたい町です。古いメルヘンの町と大都市の雰囲気が織り交ざった雰囲気は独特のもので、印象に残る旅行ができることは間違いないと思います。
聖ペトリ大聖堂 | カール大帝が787年に司教座を置いたのがここブレーメンで、789年にはその礎石が築かれたという教会です。2本の尖塔からはブレーメンの町が一望でき、すぐ近くにある市庁舎などとともに、風格あるブレーメンの街並みに大きな印象を与える建物です。また、地下室には司祭のミイラが安置されています。 |
ブレーメンの音楽隊の像 | ブレーメンといえば、グリム童話の「ブレーメンの音楽隊」が何といっても有名です。その童話に登場するロバ、犬、猫、にわとりによる、その話の一シーンを再現した像が市庁舎のすぐ脇にあります。また、同様の像は町中のあちこちにあり、まさにブレーメンのシンボルとなっています。 |
シュノーア地区 | 聖ペトリ大聖堂の南方にある、中世の綺麗な小路が続く場所が、ブレーメンきってのお洒落な街並みを作り出しているシュノーア地区です。手工芸品やアンティークなどを扱った店が軒を連ね、常に観光客で賑わっています。 |
ベトヒャー通り | 市庁舎に面するマルクト広場に入口があり、明らかに雰囲気がガラッと変わる小路があります。ここは、20世紀初頭に財を成した商人が、私財を投げ打って中世の街並みを再現したというお洒落な場所です。本当に絵本の中に迷い込んだような雰囲気に包まれますよ。 |
市庁舎とローラント像 | ブレーメンのシンボルといえば音楽隊ですが、街並みのシンボルといえば市庁舎とローラント像です。権威と平和を象徴するローラント像は、ドイツで最大の大きさをもち、市庁舎とともに世界遺産に登録されています。ここブレーメンが、中世からいかに大きな都市だったかと言うことがわかるはずです。 |
豚飼いの像 | ブレーメン中央駅から旧市街へと伸びる通り、その旧市街の入口に、幸福を呼ぶとされる豚をラッパで集めている人物の像があります。とても印象的な像なので、ブレーメンの音楽隊の像だけでなく、こちらの像も絶対に見ておいて下さい。 |
グリム童話で縁の町だけに、メルヘンの世界がそのまま大きな町に発展したような空気があります。お洒落な雰囲気も抜群のブレーメン、きっとお気に入りの町になると思いますよ。
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