ドイツニーダーザクセン州に属し、メルヘン街道沿いにある美しい中世の町。グリム童話などでも紹介されている「ハーメルンの笛吹き男(ネズミ捕り男)」伝説によっても世界的に非常に有名。
一方で、中世ハンザ同盟都市であることでも古くから商業が栄え、今でも一部に市壁が残された旧市街には、北ドイツ独特のヴェーザー・ルネサンス様式の華麗な造りの家々が立ち並ぶ。そして、ネズミ捕り男伝説の催し物が連日行われるなど、文字通り絵本の舞台の町として多くの観光客で賑わっている。
ハーメルンが初めて市として成立したのは西暦1200年頃。同時に、後のハノーファー王国となる領土に属することになる。
そして、この町を世界的に有名にした事件が起きたのは1284年。町の子供全員が失踪するという事件がおき、それが後の「ハーメルンの笛吹き男」伝説と繋がっていく。
その後は1426年のハンザ都市同盟加盟を皮切りに、商業都市として繁栄。独特のヴェーザー・ルネサンス様式の華麗な建物が数多く建てられ、全盛期を迎えることとなる。しかし1618年から始まる三十年戦争に巻き込まれ荒廃、今では伝説の町ハーメルンとして観光業が非常に盛んな町となっている。
Data
帰属連邦州 | ニーダーザクセン州 |
人口 | 58,563人(2007年) |
観光街道 | メルヘン街道 |
お土産 | 様々なネズミグッズ |
イベント | 笛吹き男野外劇(5〜9月/日曜12時) |
郵便番号 | 31785-89 |
おすすめ度 | ☆☆☆ |
キャッチフレーズ | ネズミ捕り男伝説の町 |
公式サイト | www.hameln.de |
Map
ニーダーザクセン州南部、ノルトライン=ヴェストファーレン州との州境近くに位置する。旧市街西にはヴェーザー川が流れ、近郊でハーメル川とも合流している。そして、全体をヴェーザベルクラント・シャウムブルク・ハーメルン国立公園にすっぽりと囲まれた緑多き町である。
Access
■ ハノーファーからSバーンで45分
■ ブレーメンからREとSバーンで約2時間20分
(ハノーファーでSバーンに乗換)
■ ハンブルクからICEとSバーンで約2時間15分
(ハノーファーでSバーンに乗換)
■ ベルリンからICEとSバーンで約2時間50分
(ハノーファーでSバーンに乗換)
ニーダーザクセンチケットを利用すれば、週末と平日9時以降は、ICE/IC/EC等の特急列車以外であれば、5人まで有効で28ユーロで乗り放題ですので大変お得です!ブレーメンとハンブルクも有効です。どのルートも、基本的にハノーファーを経由することになります。
争いの絶えないこの大地・・・そんな醜い光景の絶えないこの大地にも、決して私の気持ちを裏切らない美しい世界がある。
・・・大きな緑の森の中に小さな小さな村があった。透き通った空には小鳥達のさえずる声が響き、のんびりと平和に暮らす村人たち。その村人たちが造ったのか、村には茶色の屋根の家が綺麗に立ち並び、緑の森に何だか明るい彩を添えている。やわらかい光が差し込む美しい景色、きっとここで暮らしていればみんなが温かい気持ちになれる・・・そんな夢のようなところ。
その森の中には、せせらぎの綺麗な水の流れがたくさんあった。そんな太陽の反射するきらきらした流れは、魚たちの踊る1本の緩やかな流れに注ぎ込み、木々たちの間をずっとずっと流れていく。そして、あの茶色の屋根が立ち並ぶ村に語りかけるように寄り添い、またその先の森の中へと消えていくのだった。
そして、日が暮れると、茶色の帽子をかぶった家たちが夜会を始める。しだいに増えてゆくオレンジ色の灯火、森が眠り、暗闇に包まれて行く中で、出番を待っていた家たちが森の中をぽっと照らし出すのだ。そして、それにつられるように森の中から動物たちが集まってきて・・・そして、この家たちにいたずらをしかけるのだ。夜会に忍び込んだ動物たち、ここぞとばかりに食い物に目がくらみ、こそっと村人たちの目を盗んでは、また森の中へささっと消えてゆく。でも、まだまだこんなのは愛嬌。そんな家々と動物たちと村人たちとの間で繰り返される毎日の営みが、この森の四季を緩やかに流れていくのだった。まさに私が理想とするような世界そのものがあった。
時は流れ・・・数百年も昔に森の中に見たあの村は、今や1つの街といえるほど大きな姿へと形を変えていた。そして、そこに住む村人・・・いや、その住人たちは、この街のことをハーメルンという名前で呼び始めていた。
おお・・・ここまで大きくなったのか・・・それだけを見ていると何だか嬉しい。夜会を楽しんでいた茶色の家々は・・・おお、まだいる。今や街の重鎮として構えるあの家々、周囲を新しい家たちにかためられた、あの堂々たるなりを見ていると、なんだか自然と笑ってしまう。
平和そうでなによりだ・・・。それも、この森のおかげなのか・・・。外界では、欲にかられた人間達の争いがあちこちで広がり始めているというに・・・この森の中に暮らすこの町、家々と動物たちと人間たちの平和な暮らしだけはいつまでも見ていたいものだ・・・
そして、またあの時のように日が沈み、茶色の帽子をかぶった家たちに再び夜会が訪れた。しだいに増えていくオレンジ色の灯火、そしてまた暗闇が訪れ、森も眠りに落ちてゆく。今やあの時の何倍もの家々が参加する夜会だが、昔見た記憶を呼び起こされても違和感のない光景。さて、そろそろ動物たちが集まってきて、悪ふざけをし始める頃だろう。
ほらほら・・・森から何やら集まってきた。そして家々の間を縫ってこそこそと何かを始めた。しかし、ここから始まった光景は、昔見た光景と全く違うものだったのだ。
軒先から木の棒を振りかざし、家々から飛び出した住人たちが小さな光の点を追い回している。よく見ると・・・それは家々のやわらかい灯火と相反して鋭い眼光を向けるネズミたちの大群ではないか。そして、それに憤して散らそうとする住人たちの姿。争いのない、森の中のあらゆるものが平和を奏でていたはずのこの街に見た信じがたい光景。いや、信じたくない光景・・・。そして、そんな光景は毎日のように続いてゆくのだった・・・。
・・・この森の外側では、今も昔も争いが絶えない・・・。そこにはびこる人間の欲。まさか、この町にまで・・・。疑心暗鬼になってしまい、とうとう信じていたこの街の住人を試してしまった。
銭と引き換えにネズミたちを追い払ってやると。承諾する住人たち。そして、あの伝説の笛を手にし、住人たちの目の前からネズミたちを消し去ってやったのだ。笛の音色に誘われてついてくるネズミたち。かの昔には森のせせらぎが注ぎ込む、そして魚たちの戯れるあの川に、ネズミたちを消し去ってやったのだ。
でも、きっとあの住人たちは、わらをもすがる思いで私の言葉に頼ったのだろう、きっと・・・。
そして、再び住民の元へと向かった。しかし・・・この街の住人もそうだった。金という欲の象徴に、住民たちの、決して見たくなかった姿を目の当たりにしてしまった。彼らはさっきまでのすがる態度とは別人、ネズミが消えたときたら、もう私になんて用はないのだ・・・。
もちろん報酬なんてどうでもいい。ただ、欲望の裏にちらつく彼らの心を見てしまった私は、幻滅と絶望の中で森の中へと向かい始めていた。その時、森の手前で動物たちと仲良さそうに遊ぶこの街の子供たちの無邪気な姿を目にした。そして、この瞬間、ある決心が私の中で生まれたのだった。
翌日・・・再び街へと向かった。そして、またあの伝説の笛を手に取り、誘いの音楽を辺りへと吹き鳴らした。ゆらゆらと集まってくる子供たち。そして、そのまま・・・彼らを連れて、また森の中へと向かった。そう、私の決心は・・・邪気のない子供たちは、また私の描くような理想の町を一から築いてくれるだろう。そして、この大地に広がる無数の森の中へ、その子供たちを送り込んだのだ。
次は千年後にこの世界を見にこよう・・・そのときにこの子供たちの作った町はどうなっているか・・・きっと素晴らしい世界があるに違いない。それまでは、しばらくこの笛で眠るとしよう・・・人間たちのざわめきで起こされなければいいが・・・。
笛の音が鳴り響く、この空間・・・
そこで眠る謎の男・・・この男が次に目覚めるのは・・・「ハーメルンの笛吹き男」の伝説が起こった西暦1284年6月26日の千年後・・・つまり、西暦2284年6月26日である。
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ハーメルン〜でご紹介中です。
全然旅行記じゃないですね・・・。しかも、素人が頑張って書いた感丸出しです・・・。申し訳ございません。でも、ハーメルンの観光はネズミ捕り男の伝説そのものにあると思いますので、ご容赦下さい。尚、代表的な観光物件は、以下の町の見所コーナーで取り上げていますので、そちらを是非参考になさってください。
さて、ここでBundestor流ハーメルンの笛吹き男の解説ですが、まず前提として、大勢の子供が1284年に失踪したというのは史実です。その上で、グリム童話によっても世界的に有名なネズミ捕り男による伝説と、近年有力な集団移住説をミックスしてアレンジしてみました。ちなみにここで出てくる森というのは、実際に町を見事にすっぽり囲むヴェーザベルクラント・シャウムブルク・ハーメルン国立公園のことで、水の流れはヴェーザー川のことです。あと、ちょっと意味深な終わり方に、問題提起も含めた感じにもしてみました。読んでくださいましてありがとうございました。
ハーメルンといえば、何といってもグリム童話で世界的に有名になった「ハーメルンの笛吹き男」の舞台です。そのため、町の見所はこの伝説にちなんだものがほとんどです。旧市街も中性の雰囲気を色濃く残し、さすがメルヘン街道指折りの観光都市といえますよ。訪れるなら、野外劇が行われる5月から9月にかけての日曜日がおすすめです。
ホッホツァイツハウス | マルクト広場に面するヴェーザー・ルネサンス様式を代表する美しい建物です。1610年〜1617年にかけて市民ホールとして建てられ、以後は名前の通りに結婚式(Hochzeit:ホッホツァイト)にも使われてきました。現在は市の公文書館となっています。また、マルクト広場側の壁には笛吹き男にちなんだ仕掛け時計もあり、12時〜18時にかけて時報として動きます。 |
ネズミ捕り男の家 | 1603年建造のヴェーザー・ルネサンス様式の建物で、側面の壁にはネズミ捕り男伝説のあらすじが書かれたプレートがあります。また、そのプレートがある小路はブンゲローゼンシュトラーセといい、笛吹き男に誘われた子供達が通過した道だといわれています。そのため、この路は現在でも音楽演奏を禁じており、歴史の深みを感じることができます。また、この小路の路面をよく見てみてください!なにやら白い小さなペンキ跡のようなものが路の奥まで続いているのが見られます。実はこれは、ネズミ捕り男にちなんだネズミの絵なんですよ。 話がそれましたが、ネズミ捕り男の家は現在レストランとなっています。 |
大聖堂 | ハーメルンが市として認められるようになったのは西暦1200年頃のことですが、それ以前の8〜9世紀頃からも町としては存在していました。ヴェーザー川に架かるミュンスター橋の正面にあるこの大聖堂は、ハーメルンの発祥と共に歩み、幾度となく改築を重ねられてきました。現在ある建物は1744年に完成したもので、塔に上ればハーメルンを一望できます。 |
ライストハウス | こちらも1589年に建てられたヴェーザー・ルネサンス様式の歴史的建造物で、オスター通り中程にあるピンク色の綺麗な建物です。豪商の館であったものが、現在は博物館として使われており、ネズミ捕り男の資料などが展示されています。 |
シュティフツヘレンハウス | 1558年に建てられた、ハーメルンでも最も歴史のある建物の1つです。ライストハウスの正面左側に建っており、館内で繋がっています。 |
ネズミ捕り男の野外劇 | 毎年5月〜9月にかけての日曜日の正午から催される市民達による劇で、多くの観光客が詰め掛けるイベントです。ホッホツァイトハウスの前で行われ、カラフルな衣装に身を包んだネズミ捕り男や、灰色の衣装を纏ったネズミ役の多くの子供達が演じます。上演時間は30分程ですが、グリム童話の「ハーメルンの笛吹き男(ネズミ捕り男)」を基にしたあらすじを十分に楽しむことができますよ。 |
ハーメルンを訪れる方は、ブレーメンもという方が多いと思います。グリム童話の舞台メルヘン街道の2大観光都市の1つハーメルンは、ブレーメンと違って小さな町ですので、旧市街にいると絵本の町を感じることができると思いますよ。レストランやカフェも多くて落ち着けますし、交通の要ハノーファーからもアクセスがよいので、是非行ってみてください。
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