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Venedig-ベネチア-

 アドリア海に面した、歴史的・世界的な水の都ヴェネツィア。干潟の中の島に築かれた旧市街の中は、徒歩と水路がその交通手段であり、まさしくこの地球上の水の町の代名詞となっている。

 人間のユニークな遺産としての価値は計り知れず、世界のどこを探しても見つからないようなこの町の風景を求め、世界中から多くの観光客が訪れている。

※尚、ここではドイツ語のVenedig(ヴェネディック)で表しています。

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Venedigの簡単な歴史の紹介-History-

溜め息の橋

 北イタリアの住民が、ゲルマン人による侵略から逃れる為に、足場の悪い干潟に住み着いたことから、452年にヴェネツィアの歴史が始まる。そして、697年にはヴェネツィア共和国が樹立し、その後フランク王国との交易などで発展する。また、たびたびの異民族の侵略も撃退し、10世紀後半のイスラム諸国との商業条約締結や東ローマ帝国内の貿易特権などにより、15世紀後半にかけてアドリア海沿岸一帯を影響下に置く、地中海最強の海軍国家へと進化する。しかし、その後はオスマン帝国の進出などにより衰退し、1797年にはナポレオン侵略によって崩壊した。その後幾度か再生を試みるも、1866年にはイタリア王国に編入され、現在では水の都の代名詞的存在となっている。

  •  Data

    Venedigのデータ


    イタリア
    人口271,009人(2009年9月)
    お土産ヴェネチアンマスク
    ヴェネチアングラス
    お祭り歴史的レガッタ(毎年9月第1日曜)
    ベネチア国際映画祭(8月末〜9月頭)
    ヴェネチア仮面カーニバル
    おすすめ度☆☆☆☆☆☆☆
    公式サイトhttp://www.comune.venezia.it/
  •   Map

    Venedigの地理

    ベネチアの位置

     イタリア半島と、クロアチアなどとの国に囲まれたアドリア海の最内部にある。干潟や小さな島々からなる歴史的地区と、大陸側の新市街地からなり、旧市街部は縦横無尽に水路が走る水の町となっている。

    GoogleMapを見る

  • Access

    Venedigへのアクセス

    ミュンヘンからECで約6時間40分

    ミュンヘンから空路で約1時間

    ドイツ国内各空港から空路で〜2時間

     ミュンヘンから鉄道で行くことも可能ですが、空路の近さや安さの面を考えると、空路を選ぶ他にありません。

     Tui Flyなどの格安航空会社では、定期的にイタリア方面の特割を設けており、時期によっては往復100ユーロ以内で行くのも十分に可能です。

ここからはVenedig-ベネチア- 旅行記-Reisebeschreibung-

徒然旅行記のコーナー -アルプスを越えて南へ-

ベネチア歴史地区

 「うわぁ!」

 海に突っ込んでいった・・・。


 「ゴォー・・・!!」

 一瞬引きつった顔が、安堵感に緩んだ。

 ミュンヘンを経った飛行機が、わずか1時間ほどで、アルプスを越えた先のヴェネツィア上空を旋回する。斜めになった機体の窓から、眼下に広がる水上の国。

 国土は陸上だけではない。網目のような運河、島と島を結ぶ水の道に、飛沫をあげながら水面を滑るたくさんの舟が見える。

 この町を築き上げた昔の人々は見ることのできなかった景色。

 ここが、この地球上で唯一無二の水の町、ヴェネツィア。


 いよいよあそこに降り立つ。

 船が頭を下げる。

 近づく。

 そして、もう目の前に迫った時だった。

 まさかと思った。一瞬、本当に終わったかと思った。


 海辺ギリギリに造られたヴェネツィアの空港。その滑走路は、海に突き出すように僕らを迎えていた。そう、着陸する寸の寸前まで海の上を飛んでいたこの船の中からは、まるで海の中に突っ込んでいくかのようなシーンだったのだ。

 海風が心地よい、アドリア海の岸辺。

 地を経ち、空を旅し、山を越え、辿りついた南の地。ヨーロッパの歴史と文化の遺産が、一瞬にして見えた気がした。

 南ドイツには海がない。でも、たかだかアルプス山脈を越えただけのこの地には、無限大の海が広がっている。

 ドイツとイタリア。その地理が生んだ歴史の流れや国の気質、文化の違いが、この僅かの空の旅で実感できた気がした。

 そして、目の前の海の向こうには、明らかに水の上に築かれた町が見えている。

 迫り来る島々。海の上にのっている。そして、その島々の使いの船が、右往左往と航行する。

 まるで、島同士が船でコミュニケーションをとっているみたい。ゲルマン人に追い詰められたかつての人々は、こうしてここに居座る島々を長い歴史の中でひとつずつ仲間に加えていったんだな・・・。この海辺を少しずつ南下して。

 そして、辿り着いたんだな、あの島に!

ヴェネツィア本島

 島々が導く先にあったのは、赤い島。

 大きな鐘楼が見える。白亜の聖堂が見える。そして、あの優雅な形をした小舟が見えた。

 無数の人々が、無数の小舟たちが出迎えるゴンドラの港。かつて、こんな歓迎を受けたことがあっただろうか・・・。

 ここが、ヴェネツィア!

繁栄の町

 空の船、水の船を乗り継いだ旅。

 最後に辿りついた、水に守られた歴史の遺産は、足を踏み入れるには恐れ多いほどの場所。

 これほどの観光客に埋め尽くされていても、なんだか神聖さすら感じる場所。

 路地裏の歴史の尊さと、表舞台の栄華を感じられる水の都。


 ともすれば、現代人が歴史を踏み荒らしているなんて中世ヴェネツィア人は思うかもしれない。

 でも、多くの人々が行き交うこの姿こそ、ヴェネツィアの本来の姿なんじゃないかって感じた。

 黄金色に輝いていたかつてのヴェネツィア共和国には、繁栄を謳歌する姿こそが真の姿だって。


Venedig-ベネチア- 旅行記-Reisebeschreibung- おわり

-町の小窓たち-

リアルト橋 カナル・グランデ 旧市街の水路
運河と橋 サン・マルコ聖堂 海の男たち 薄暮のヴェネツィア

  詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ベネチア〜でご紹介中です。

-旅行記後記-

ベネチアのお土産屋台

 アルプスで隔てられていることが、これほどの異文化を生んだのか・・・と実感させられるイタリア北部の町です。ミュンヘンからは距離にして、ウィーンより近いというヴェネツィア。それだけに、アルプスの存在感を強く感じることにもなりました。

 そして見つけた水の都。旅行記でいくら語るより、写真を見ていただくのが一番だとこれ程感じた町はありません。是非、写真de小旅行もご覧になってください。

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-町の見所-

 もちろん見所は歴史的地区です。島の上に築かれ、島間を行き交う船やゴンドラが紡ぎ出す独特の風景は、この地球上どこを探してもヴェネチアほど美しいものはないと思います。歴史の空気と海風を感じながら、一生心に残る思い出を作ってきてください。

サン・マルコ広場空港から船でヴェネツィアに向かうと、ここサン・マルコ広場の海岸に着きます。共和国時代の権威を示すような大きな広場で、中世には公式行事や祭礼が開かれていました。片隅には高さ96メートルを誇る大鐘楼があり、ドゥカーレ宮やサン・マルコ寺院などの主要建造物も並ぶ壮観な場所です。
サン・マルコ寺院829年に、エジプトのアレキサンドリアから持ち帰られた聖マルコの聖遺骸を祭るために建てられました。サン・マルコ広場の正面で、ヴェネツィアの大きさを示すような寺院です。
ドゥカーレ宮ヴェネツィア共和国の政治の中枢にあった宮殿で、総督官邸や裁判所なども置かれていました。9世紀にあった城塞を起源としており、ヴェネツィアの発展とともにその姿をしだいに変え、15世紀には現在見られる宮殿となりました。
サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会サン・マルコ広場の海岸から正面に望むサン・ジョルジョ・マッジョーレ島に立っている教会で、この島そのものが教会といってもよいような大きさです。1610年に建てられ、ヴェネツィア観光では、背景にこの教会を収めた最高の写真が撮れると思います。
リアルト橋元々は13世紀の木造の跳ね橋で、ヴェネツィアの大運河に架かっていた最古の橋でした。その後15世紀には橋の上に店などもでき、1591年には現在のような大理石造りの橋として生まれ変わりました。ヴェネツィアの象徴ともいえる有名なスポットで、下を流れるカナル・グランデを行き交うゴンドラなどが、水の都ヴェネツィアの独特の風景を生み出しています。
カナル・グランデ上記、リアルト橋の下を流れるヴェネツィア歴史市街地最大の運河で、ゴンドラや水上バスなどがひっきりなしに行き交う賑やかな水路です。水の都の象徴です。
オレージ通りリアルト橋から繋がるヴェネツィアきっての繁華街・商店街です。中世から続く歴史的なヴェネツィア商いの風景が連なり、グルメやヴェネチアンマスクなど、様々な町の名物が並んでいます。

 ここでは7つの見所しか紹介しておりませんが、もちろんヴェネツィアには数え切れないほどのスポットがあります。あらゆる街角が見所であるヴェネツィアの風景を目に焼き付けてきてください!