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Gent-ゲント-

 ベルギー有数の観光都市であるゲント。中世にはパリに次ぐという大繁栄を遂げ、一時的にもヨーロッパを代表する大都市となった。

 その名残と威厳は、現在も旧市街全体に漂い、風格ある見事な景観を創り出している。そして、町のシンボルのひとつでもある『鐘楼』は世界遺産にも登録されている。

 また、フラワーショーが開催される都市でもあることから『花の都』とも呼ばれている。

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Gentの簡単な歴史の紹介-History-

鐘楼

 ゲントの由来となった町には、7世紀には修道院などがあった。本格的に町としての歴史を刻むのは、9世紀にカール大帝が訪れたことに始まる。11世紀以降になって商業と毛織物工業などを中心として急速に発展し、13世紀〜14世紀には莫大な富を得た豪商達がギルドハウスを建て、世界遺産ともなっている鐘楼などの建造物も出来上がった。そして14世紀後半以降はブルゴーニュ公国の下に入り、華やかな騎士文化や北方ルネサンス文化も開花。一時はパリに匹敵するほどの大都市となり、経済・文化の一大中心地にもなった。しかし、16世紀後半のオランダ独立戦争以降は停滞してしまう。それでも、現在では園芸産業が非常に発展し、別名花の都とも呼ばれている。

  •  Data

    Gentのデータ


    ベルギー
    人口237,250人(2008年1月)
    お土産レースの織物
    有名作品神秘の子羊(聖バーフ大聖堂)
    町の自慢ミシュラン3ッ星獲得観光地
    おすすめ度☆☆☆☆☆☆☆
    キャッチフレーズ花の都
    公式サイトhttp://www.gent.be/
  •   Map

    Gentの地理

    ゲントの位置

     ドイツのライン地方の西隣にあるベルギーの西部にあり、同国の首都ブリュッセルと、北海にも程近い水の都ブルージュの間に位置する。

     また、町には北海方面に繋がる運河も巡っている。

    GoogleMapを見る

  • Access

    Gentへのアクセス


    ブリュッセルから25分程度

    ブルージュから20分程度

    ケルンからは、THAでブリュッセルまで約2時間20分です。THAとはタリスというワインレッドの列車で、フランス・ベルギー・オランダ・ドイツの4ヶ国を結ぶ超特急列車です。ドイツにはケルンとアーヘンに乗り入れます。

    また、空路においては、ドイツ各空港からブリュッセルまではおおよそ1時間半以内です。

ここからはGent-ゲント- 旅行記-Reisebeschreibung-

徒然旅行記のコーナー -金色の針-

 そこは、現代から迷い込んだ多くの人でごった返していた。

 重厚な建造物が林立する町の中。そのせいか、そこらを歩く人がやたらと小さく見える。

 500年前の中世に迷い込んだ現代人たちが暮らす町、ゲント。

 そこに向かった人間は、あの金色の針を見た瞬間、500年前の世界へと吸い込まれる。

 ・・・・・・

 この日僕は、朝の10時くらいにブリュッセルを発ち、電車で30分程度西にあるゲントへと向かっていた。

 今日のメインは水の都ブルージュ。でも、せっかくそのルート上にあるゲント・・・だからブルージュの前菜としてちょこっと寄ってみよう、そんな程度の気持ちに過ぎなかった。

 午前10時半頃、ゲント中央駅に着いた。さて、どんな町が目の前に広がっているのだろう・・・。予定では前菜とはいえども、いざ目の前にくれば、食欲旺盛な僕にとってはゲントだって最高のご馳走だ。一気に高まった期待を胸に、いざゲントの町へと足を踏み出した。

迷いの路

 ・・・・・・。

 なにここ。

 平凡すぎる駅前。これがこの地方の中心都市だって言うのだから、そりゃもう唖然としたもんだ。だってこんな町、日本にならいくらでもある。欧州の建築様式に目慣れしてしまった僕には、目の前の建物だって、もはやその文化の切れ端にしか見えない。なんら特別でもない、ごく普通の町だったのだ。


 ・・・がっかり。どうせ旧市街だって、そんなに特別なものじゃないんだろう・・・。しかも、手持ちのガイドブックは頼りない。旧市街行きのバスが出ている停留所の場所すら書いていないのだ。

 「どうやって旧市街にいくんだよ・・・。」

 ここで、教会の尖塔でも見えていれば、最悪歩いてでも行こうものだが、旧市街の方向を示す建物なんて360度見回したって見えやしない。


 「もう・・・ブルージュ行っちゃう?」

 「いや、もう少しバス停を探そう。」

 「もう疲れたわ・・・」

 「あと10分頑張ってみよう!」

 「もう・・・ブルージュ行こうぜ!」

 そんな自問自答がしばらく続いた。


 駅について20分経ったとき、ようやく僕は旧市街行きのバスの中にいた。「もうタイムリミット!」って諦めたその時、中央駅脇の陰に殺到する観光客の集団を見つけたのだった。

 「灯台下暗しってこれだな・・・」

 完全に陰に隠れたところに、僕が20分捜し求めていた停留所があったのだった。


 ゴトゴト・・ゴトゴト・・

 バスに揺られ、僕はごみごみとした町の中を進んでゆく。

 何の変哲もない町。好奇心のカケラも見出せないまま、しばらくバスは進み続けた。

 ・・・でも不思議なことが1つあった。中央駅を離れるごとに、町がだんだんと大きくなっていくのだ。

 そう・・・、がっかりの連続だった現代との別れは、刻一刻と迫っていたのだった。

 その時、頭上で輝く一本の金色の針が目に飛び込んできた。

重厚な町並みレイエ川

中世

 そこは、現代から迷い込んだ多くの人でごった返していた。重厚で迫力のある巨大建造物が居並ぶ・・・。


 目の前には、遠い未来に世界遺産となる『鐘楼』

 右を見やれば『聖バーフ大聖堂』

 左に目を移せば『聖ニコライ教会』


 いずれも壮観な力強さが際立っており、一目でここが絶大な繁栄を誇る都だとわかる。いつの間にこんな所に出たのだろう・・・そんな世界が広がっていた。右を見ても左を見ても、繁栄の象徴たる豪華なギルドハウスが壁のように連なり、一時はパリにも匹敵したという風格がビシビシ伝わってくる。


 わくわくが止まらなかった。高鳴る鼓動に、ただただ「すごい・・・」というため息しか出なかった。

 それからの僕は感動の連続だった。500年前の世界が目の前にある・・・その中で自分自身が生きている・・・信じられないような気持ちだった。

 極めつけは、レイエ川に架かる橋の上に立ったとき。

 河岸に横付けする舟、川を行き交う舟、そして高台で港を見下ろすフランドル伯爵居城。

 中世の町で現代人が歓声をあげる不思議な光景は、あらゆる街角、あらゆる建物、そして水上のどこまでも続いていた。

金色の針

閉じゆく時の扉

 ・・・・・・

 どれだけの時間が過ぎたのだろう・・・ふと我に返ると、目の前を路面電車が通過していった。ハッとした。

 「なぜ中世の町にこんな乗り物があるのだろう・・・」

 その時思い出した・・・あの金色の針のことを。

 「ブルージュに行かないと!」

 正直、離れたくなかった。路面電車に乗れば、現代に帰れる・・・でも・・・タイムリミットは訪れるものだ。


 中世の時の扉は、今にも閉じようとしていた。

 そして路面電車に乗り込み、最後にあの『鐘楼』を振り返った瞬間

 あの金色の針が再び僕の目の中に飛び込んできた。

 ゴトゴト・・ゴトゴト・・

 路面電車は雑多な町の中を進んでゆく。

 もうすぐゲント中央駅だ。


Gent-ゲント- 旅行記-Reisebeschreibung- おわり

-町の小窓たち-

鐘楼 町並み 運河の古都
壮観な中世都市 中世の港 フランドル伯の居城 ゲントの馬車

  詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ゲント〜でご紹介中です。

-旅行記後記-

神秘の子羊

 最高の町です。おすすめ度No.1です!金色の針というのは、鐘楼の金色の時計の針のことを表しています。旧市街に入ってきたときに、まず鐘楼の時計が目に入ると思いますが、それと同時に鳥肌を感じるほどに、凄まじい町並みが周りを取り囲みます。この瞬間、現実社会の全てを忘れて、この中世ゲントの旅が始まります。ディズニーランドで全てを忘れて楽しめるように、この町はそんな空気に包まれています。

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-町の見所-

 ゲントは、個人的には、ヨーロッパ中で3本の指に入るお気に入りの町です!ブリュッセルからブルージュに向かう途中にあるため、正直寄ってみようかな・・・くらいにしか思っていませんでした。そして、いざついてみても・・・平凡すぎる駅前。旧市街もどこともわからない・・・もういいやって思ってブルージュに向かおうかなって思ったとき、観光客の集団がバスに乗っていくのが見えたんです。そんなこんなで、どさくさに紛れて乗り込んで10分ほどしたら、そこは500年前の世界でした。

 正直仰天しました・・・興奮しました!!そんな町のスポットを下に挙げますね。

聖バーフ大聖堂ゲントが生んだ神聖ローマ皇帝、カール5世が洗礼を受けたという由緒ある大聖堂で、圧巻の豪壮を誇るゲントの3大シンボルの1つです。中でも一番の見所は、内部にある『神秘の子羊』という名画。この大聖堂は12世紀〜16世紀に建てられましたが、その時期のゲントの栄華を象徴するような、ベルギーフランドル絵画史上の最高傑作といわれています。
鐘楼ゲントの誇る世界遺産であり、高さ91メートルのこの町のシンボルです。かっこいいという表現がぴったりの建造物だと思います。元は、兵士を召集する場として建設されましたが、今にも騎士が出てきそうな・・・そんな雰囲気のある鐘楼です。
聖ニコラス教会ゲントの3大シンボルの1つで、鐘楼、聖バーフ大聖堂と共に、この町の力強さを示すような風格漂う建造物です。13〜18世紀にかけて建てられた、スヘルデ・ゴシックという様式の最高傑作といわれます。聖ニコラスは船乗りと漁師の守り神ということもあり、港のあった運河の脇に建てられています。
コーレンマルクト上記の3大シンボルが林立する、ゲントの旧市街の中心部です。他にも見事なギルドハウスが連なり、かつてパリに次ぐ大都市だったという雰囲気が十分に伝わってきます。
シント・ミヒール橋聖ニコラス教会のすぐ近くにある橋で、レイエ川の上に架かります。眼下には、かつて港だったという川の両岸のコーレンレイ地区とグラスレイ地区が見渡せ、奥にはフランドル伯の居城も見られます。これ以上ないくらいの見事な景観を造り出しています。
フランドル伯の居城今にも甲冑を身にまとったナイトが現れそうな、そんな城です。運河に挟まれた場所にあり、画の様な風景と共に重厚な構えをしています。
精肉市場跡1406年から1410年に建造されたという、中世ゲントの食卓ともいえる精肉市場の跡です。本当に今にも騎士が現れそうな雰囲気に包まれています。現在はカフェなどが入っています。
運河クルーズ上記のシント・ミヒール橋近くに船着場があり、精肉市場跡やフランドル伯の居城、その他連なる見事なギルドハウス、水門などを巡りに巡るゲント最大の観光ポイントです!

 旧市街は広くありません。そのかわり、無駄な空間が全くありません。本当に、中世の町に現代人が何故か住んでいる・・・そんな感じでした。ベルギー旅行に行く際には、ここゲントは絶対に外さないで下さい!本当に最高の観光地です!