バイエルン州南部、オーストリアとの国境にも近いアルゴイ・アルペン地方の町。人気の観光街道であるロマンチック街道の終点でもあり、湖や山脈の美しい自然の景勝を求め、世界中から多くの観光客が訪れる。
何より有名なのは、近郊のホーエンシュヴァンガウ村にあるノイシュヴァンシュタイン城。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなった城で、日本人には特に憧れの観光スポットとして大人気である。
アルプス越えの重要交易路とされたフュッセンは、ローマ軍の駐屯地として次第に町が築かれていく。その後も交易ルートの町として長らくその歴史を歩んだフュッセンだったが、1295年にはついに都市権を得る。その後は、現在の町のシンボルであるホーエス城が、大繁栄を遂げることとなるアウクスブルクの司教の夏の居城として建てられる。現在ではロマンチック街道の終点であるこの町だが、それを支えている近郊のホーエンシュヴァンガウ城とノイシュヴァンシュタイン城が誕生したのは19世紀。1853年には現在のホーエンシュヴァンガウ城が、1869年から1886年にはノイシュヴァンシュタイン城が建てられ、その2つの城に向かう観光拠点の町として有名になっている。
Data
帰属連邦州 | バイエルン州 |
人口 | 14,236人(2008年12月) |
街道 | ロマンチック街道 |
近郊のスポット | ホーエンシュヴァンガウ ノイシュヴァンシュタイン城 フォルゲン湖(シュヴァンガウ) ヴァイセン湖 |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ |
キャッチフレーズ | ドイツ・アルプスの城下町 |
公式サイト | http://www.fuessen.de/ |
Map
ドイツ最南端、オーストリアとの国境をなすアルプス山脈の麓にあり、旧市街に沿ってレヒ川が流れる。近郊にはヴァイセン湖やフォルゲン湖をはじめとするたくさんの湖があり、水辺の美しい景色を作り出す。
また、標高が高い為に冬には銀世界となる。
Access
■ ミュンヘンからREで約2時間15分
■ アウクスブルクからRE/RBで約2時間
(ブッフローエでRBに乗換)
■ オーバーアマガウからバスで約1時間半
バイエルンチケットを使用すると、週末と平日9時以降、普通電車(RE/RB)とバスであれば、5人まで有効で28ユーロで乗り放題です。1人でも20ユーロです。
2日間かけて、フュッセン周辺、アルプスを越えてオーバーアマガウ、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンなどを旅するのがおすすめです!
銀化粧がきらきら光に反射するアルプスの森。野を越え、川を渡り、列車が走る。
目指すは、赤い屋根と愛らしい家並み、歴史がたっぷり詰まったロマンチック街道の終点。そう、この先には、ドイツメルヘンの2000年の歴史を結ぶあの城がある。
ゲルマン神話に始まり、魔女伝説、グリム童話、ニーベルングの指環などなど、この国の歴史そのものがメルヘン。そして、このメルヘンを締めるべく現れたのが、19世紀のバイエルン王、ルートヴィヒ2世だ。
ミュンヘンを発った列車が、霜に凍える山間の町にゆっくりと腰を下ろした。
見るからに寒々しい駅。冬のドイツにはよくある雰囲気だ。でも、この駅は、その寂れた駅舎とは裏腹に、灰色のホームに響くたくさんの足音が当たりの雰囲気を変える。数多くの観光客たちの、期待に胸膨らむその顔が、曇り空に覆われたこの町の空気を変える。
フュッセン。あの有名なロマンチック街道の終点。そして、ドイツメルヘンの最高傑作、ルートヴィヒ2世の遺した、あのノイシュヴァンシュタイン城への玄関口だ。
でも・・・
脇目もふらずバスに乗り込むたくさんの観光客。悲しいかな、フュッセンという町は・・・。
だって、バスで10分程度の所のホーエンシュヴァンガウ村にあの2つの城があるせいで、9割方の人に無視されてしまう。ピンクの壁や黄色い壁、寒空の下で人々を温めようと健気に振舞おうとする旧市街も、ほとんどの目に留まることもないのだから。・・・だったら、この私が少しでも探索していこうじゃないか!
15分後、バスの中にいる自分。
ホーエス城やカラフルな優しい街並みに癒されるも、いかんせん寂しい。あの山の向こうの2つの城でたくさんの歓声が上がっているかと思うと、どうしてもその引力に誘われて、勝手にバス停へと足が向かっていたのだった・・・。ああ、僕もフュッセンを裏切ってしまった。。。
高原を進むバス。何とも違和感のある右側車線を、ひたすら山へと突き進む。
それにしても今年は雪がない。5年ほど前に訪れた時には、そこらじゅうが銀色の世界に染まり、ふわふわとした真綿のような雪の森が広がっていたはず・・・。やっぱりここにも温暖化の影があるのかな・・・なんてメルヘンには程遠い現実問題を目の当たりにしながら、ゴトゴトとバスに揺られ進んでいった。
ここは・・・。
分厚い雪の布団に覆われた小さな村に、全面氷の張った大きな湖。その湖の遥か奥では、悠々と湖面を滑る村人が見える。
一瞬5年前の思い出が目の前に蘇った。そして、その記憶を辿り、恐る恐る傍らの山を仰ぐと・・・5年ぶりに彼を見つけた。
ドイツに憧れ訪れたあの日に刻んだ記憶、そして今こうしてドイツ留学をしている現実の自分・・・夢なんかじゃない。
絵本の世界を旅していたのかもしれない・・・ふとそんな感覚にすらなった、5年前のドイツ、そしてノイシュヴァンシュタイン城。
でも、今の彼は、なんだかちょっと小さく見えた。
何度訪れても、夢心地に浸れるこの場所・・・周りの日本人の多さに現実に戻される感じがちょっと残念だけど、メルヘン王ルートヴィヒ2世の最高作品は、万人の心を射止める魔法の城だ。
ドイツ最南端に位置するこのお城・・・ドイツメルヘンを彩るあらゆるキャラクターやシーンが走馬灯のごとく駆け巡る・・・
ノイシュヴァンシュタイン城の小窓から見下ろすアルプスの麓の風景。そんな高原の向こうに、ちょこんとフュッセンが座っているのが見えた。
「見えるんだ。・・・そっか・・・!」
なんだか嬉しくなった。
だって、みんなに無視されてたフュッセン・・・そんなんじゃなかったんだ。
この場所がフュッセンの「おもてなし」だったんだって気づいた時、遥か向こうのあの赤い屋根の町が、優しい笑顔に見えた。
世界中のみんなをメルヘンの世界へと送り出す町、フュッセン。さっすが、ロマンチック街道の終点だ!
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜フュッセンとホーエンシュヴァンガウ〜でご紹介中です。
正直フュッセンにはあまり多くの見所はありません。その代わり、やはりノイシュヴァンシュタイン城の魔力は凄まじいです。
私は計4回くらいこの城にいったことがありますが、やはり毎回毎回メルヘンの佇まいに一瞬息を呑みます。初めて訪れる方には、本当にその美しさのインパクトは絶大だと思います。
今回の旅行記は、陰に見られがちなフュッセンを立ててみました。お城だけでなく、フュッセンの町も探索してみてください!
フュッセンは、ドイツアルプスの数々の見所への玄関口です。町中のスポットは少ないですが、バスを使用しての近郊スポット観光はドイツ随一です。
ホーエス城 | 中世に黄金期を築いたアウクスブルクのアウクスブルク大司教が別荘として使用していた城で、フュッセン旧市街地のすぐ南を流れるレヒ川の畔の高台にあります。現在は州立ギャラリーとして後期ゴシック絵画を中心とする絵画コレクションがあります。 |
ヴィース教会 | フュッセンからはバスで約45分と少し離れていますが、バイエルンの数少ない世界遺産として有名な教会です。直訳すると、「草原の教会」だけに、アルプスの景色をバックにした丘に絵のように建てられている美しい教会です。この教会が有名になったのは、1738年に、主祭壇に安置されている『鞭打たれるキリスト像』が涙を流したという噂がヨーロッパ中に伝えられたときからで、以降は年間100万人が訪れるという一大スポットとなっています。 |
ホーエンシュヴァンガウ城 | ノイシュヴァンシュタイン城と相対する小高い山にあり、オレンジ色の外壁が映える綺麗なお城です。元々は12世紀に建てられたものですが、1832年より当時のバイエルン王子であるマクシミリアン2世によって改装され、自身も結婚式に使用しました。ノイシュヴァンシュタイン城とともに、ドイツ観光のハイライトとなっています。 |
ノイシュヴァンシュタイン城 | 1869年に、当時のバイエルン王ルートヴィヒ2世によって造られた、ドイツで最も有名なお城です。ディズニーランドのシンデレラ城のモデルにもなっており、世界的にメルヘンの城の代名詞的存在となっています。また、山の中腹にある城までは、麓の観光案内所からは徒歩、もしくは馬車によっていくことができます。内部も絢爛豪華で様々な仕掛けや装飾も施され、ツアーガイドもあり、城の窓からは周辺の雄大な景色を見渡すこともできます。 日本人にはドイツ観光のハイライト的観光スポットで、ドイツにいながらにして日本人をたくさん見かけることも多いと思います。 |
アルプ湖 | ホーエンシュヴァンガウ村にあるオーストリアとの国境に位置する綺麗な湖で、ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城が見下ろす位置にある絶好の条件にあります。冬には湖面がすっかり凍る年もあり、アルプスの山間で美しい姿を見せてくれます。 |
以上、ドイツを代表するような大きな観光スポットが目白押しのフュッセン周辺。この他にも様々な湖や温泉などもあり、癒される旅ができること間違いないです!
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