ドイツの西隣にあり、フランス文化やドイツ文化などが入り混じる国ルクセンブルク。その首都ルクセンブルクは、この国そのものといってもいいだけの観光要素を持っている。
中世より小国ゆえの歴史から、国の防衛に力を入れたため、崖に築かれたという地理的条件や、現在でも生々しく見て取れる防護城塞の跡。街は現在世界遺産として登録されており、他の町に見られないようなインパクトも備えている。
ルクセンブルクという国の歴史は、963年に城が築かれたことに始まる。そして、1060年にはルクセンブルク家に伯爵位が与えられ、14〜15世紀には一族より神聖ローマ皇帝を輩出したで、1354年には公領へ昇格される。しかしその後は家系が断絶、1461年にブルゴーニュ公国に併合。そこから18世紀にかけてハプスブルク家やフランスの支配を受けるが、1815年にはオランダ国王を大公とするルクセンブルク大公国となる。以降はベルギーやオランダの領として左右されるが、1867年には永世中立国、1890年には自君主のルクセンブルク大公国となった。都市としてのルクセンブルクは、常に戦略的要衝とされ続け、現在でも首都としての機能を果たしている。
Data
国 | ルクセンブルク |
人口 | 90,000人(2009年5月) |
公用語 | フランス語/ドイツ語 ルクセンブルク語 |
特徴 | 世界最高水準の経済レベル |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆ |
キャッチフレーズ | 難攻不落の中世城塞都市 |
公式サイト | http://www.luxembourg-city.lu/ |
Map
ドイツの西隣にある小国ルクセンブルク大公国の中央南部にある。旧市街の周辺はペトリュス渓谷という20〜50m程の渓谷に囲まれ、市街地の大部分は大地の上にある。谷底にも小さな町が形成されている。
Access
■ ケルンからICで約3時間20分 (乗換なし)
■ トリーアからREで約50分 (乗換なし)
■ ドイツの各空港から1時間以内
ケルンからICで直接行くことができます。また、国境近くの町トリーアからは、通常料金で往復30ユーロ程度です。その他ベネルクスチケットなどのパスを使用すると、ルクセンブルク、ベルギー、オランダの3国を格安料金で回ることができます。
崖の下の町に下りると、何だかそこはもう異世界というか、違う時間が流れているというか・・・
遺跡を覆うように生い茂る植物たちに、中世からのほったらかしの時間の流れを感じるというか・・・
僕はこの谷底に降りた時、あの映画のワンシーンがリンクした
『天空の城ラピュタ』
パズーとシータが大きな積乱雲に呑み込まれ・・・意識が戻った時にいたあの世界
まわりにひらひらと蝶が舞う穏やかな花畑の中、あのロボットが歩いてくるシーン
カメラのアングルが切り替わり、草花の間からのぞく遺跡や水路の様子も映し出されるあのシーン
そりゃこの町と天空城を並べて見比べりゃ・・・「どこが?」なんてツッコミがバンバン飛んできそうだけど
でも、降り立った時に無意識に感じたあの雰囲気は、再び崖の上に戻るまで消えることはなかった
天然の崖の縁に築かれた城塞の町、ルクセンブルク
谷底から見あげる旧市街と岩肌に造られた砲台の跡
中世には、この町自体が軍事戦略拠点の要所だったんだってよくわかる
谷底はこんなに静かな時間が流れているのに
すぐ頭上に見えるボックの砲台といわれるあの岩肌の穴には
兵器としてのルクセンブルクの姿が垣間見れる
でも決して敵を侵略する為のものではなく
自国を守り抜くための装備
この町とこの国の平和を守る為に
でも今やそれは過去の遺跡
中世で仕事を終えたこの城塞は
このペトリュス渓谷の中で静かに静かに眠りについている
もう役目を終えたこの城塞の町の足下で
ゆったりとした時間を過ごす生き物たち
ひらひらと舞う蝶は
可憐に咲く花と挨拶をしているかのよう
川面を渡る風は
この世界を見回る番人かのよう
若葉からしたたる水滴は
まるで池に飛び込んで遊んでいるかのよう
このペトリュス渓谷にしゃがんで観察していると
頭上の町で忙しく動き回っている人間達とは対照的に
自然の戯れる小さな世界がある
そしてふと右を見たら
隣であのロボットが静かに花の手入れをしているのかもしれない
守り続けなくちゃいけない世界があるって
改めて気づかせてくれるのが
渓谷の中でたたずむ町、ルクセンブルクなのです
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ルクセンブルク〜でご紹介中です。
ルクセンブルクの見所は、旧市街にももちろんたくさんありますが、私の印象に深く残ったのはやはりグルント地区です。
旧市街の崖の下にあるグルント地区は、まるで時の流れが止まってしまったかのような空間。そんな世界で自然にじっと目を向けてみると、思いがけない小さな新しい世界を見つけることができるはずです。そんなところに注目してみるのもいいと思います。
ドイツから行くには、ケルンやトリーアからの鉄道の旅になることが多いと思います。少なくともドイツでは見られないような大自然に融和した大要塞の都市なので、そのインパクトは大きいと思います。自然も豊かなので、癒しの旅行が期待できると思いますよ。
ペトリュス渓谷 | ルクセンブルクの象徴とも言える渓谷です。旧市街の周りはこの渓谷で囲まれており、中世から天然の要塞であったことが見てとれます。そのため、現在でも町自体に城塞の名残が色濃く感じられ、他のヨーロッパの町にはないような特別な雰囲気を醸し出しています。 |
アドルフ橋 | ペトリュス渓谷に架かる、ルクセンブルク旧市街と新市街を結ぶ大きな石橋です。高さは渓谷から見て46メートルあります。これもルクセンブルクの独特な町並みのシンボル的なスポットです。 |
グルント地区 | 崖の上の旧市街に対し、谷底にあるのがこのグルント地区です。急な崖の間にはアルゼット川が流れ、生い茂る緑がまるで手付かずの中世の遺跡を覆っているように見えます。教会や修道院もあり、迷路のような入り組んだ路も魅力的です。個人的には、あの天空の城ラピュタのような(遺跡を通し、過去の時間がそのまま流れているような)雰囲気が感じられました。 |
ボックの砲台 | 10世紀末から18世紀までに造られた地下要塞です。地下とはいっても、渓谷の崖に築かれた砲台なので、高台から見れば地下ではあるものの、崖にむき出しになっています。中世には列強の脅威にさらされたルクセンブルク。この砲台から敵の侵攻を阻んだのでしょう。 |
大公宮殿 | 1418年に建てられたルクセンブルク大公の宮殿で、現在では大公の執務や外賓のための迎賓館となっています。旧市街にあります。 |
3つのどんぐり | アルゼット川を越えた森の中にある要塞で、18世紀に建てられました。3つの塔からなる要塞の為、このような名前がつけられたそうです。 |
ベネルクス3国といえばベルギーやオランダがやはり人気ですが、このルクセンブルクはその2国とは全く違った顔を持っているので、いい意味で期待を裏切ってくれると思います。型にはまらないこの町の風景の魅力を感じてみてください。
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