ハンガリーの首都であり、東欧の首都ともいうべき大都市であるブダペスト。19世紀末にドナウで分かつ王宮都市ブダと、振興経済都市ペストが合併し、現在のブダペストが誕生した。
世界一美しい町のひとつとも評され、ブダの南にある丘からの眺めは、一生忘れることのないほどの印象的な美しさを見せてくれる。
世界遺産にも登録されており、名実共に世界を代表する名観光地である。
文献上は、西暦89年頃から4世紀にかけて、ローマ帝国が州都として建設した都市、アクインクムを起源とする。そして10世紀には現ハンガリー民族の中心であるマジャル人が移住し、11世紀にはハンガリー王国が誕生。その後、1247年から王宮所在地であったブダは、1361年からオスマン帝国に支配される1541年まで、ハンガリーの首都として君臨する。しかし、しばらく不遇の時を刻んだブダだが、1686年にはハプスブルク家の支配下に入り発展、1784年には再びハンガリーの首都の座を奪回する。一方で、1873年には、18世紀以降急速に発展した対岸のペストと合併してブダペストが誕生。現在に至る美しき大都市が生まれることとなった。
Data
国 | ハンガリー |
人口 | 1,702,297人(2008年) |
大河 | ドナウ(ドナウの真珠の異名を持つ) |
お土産 | トカイワイン/刺繍 パプリカ/伝統的民芸品 |
名物 | 欧州きっての温泉都市 |
おすすめ度 | ☆☆☆☆☆☆ |
キャッチフレーズ | 世界一夜景の美しい都 |
公式サイト | http://deutsch.budapest.hu/ |
Map
ドイツの東隣オーストリアの更に東にあるハンガリーの中央部にある。平原が大きく広がるハンガリーだが、ブダペストの周辺には丘が多く、中央を縦断するドナウと合わせて非常に起伏の富んだ地形にある。
Access
■ ミュンヘンから電車で約7時間半 (乗換なし)
■ ウィーンから電車で約3時間 (乗換なし)
■ ドイツの各空港から約1〜2時間
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ゲッレールトの丘。ブダペストを流れるドナウの畔にある、この町全体を見渡せる最高のビュースポット。刻々と流れる時間の変化にあわせ、空の色が青から赤、そして黒へとグラデーションされていく。
夕刻のブダペストは美しい。息を呑むような美しさ。ものの30分の間に目の前で繰り広げられる現象は、これまでの人生で経験したことのないような時間。きっと誰もがそう感じるはず・・・だって、周りにいるたくさんの観光客が、息を呑んでその光景に食い入っているのだから。
人って本当に感動すると、言葉が出なくなるものなのかな。だって、数え切れないほどの観光客がいるはずなのに・・・虫の音と風の音しか聞こえてこないのだから。。。
1時間の時の流れをここまで実感したのは初めてかもしれない。だって、1分前と1分後の景色が違うのだから。
空の色が教えてくれた時間、その一刻一刻が今でも僕の脳裏に焼きついている。
僕が見たのは夕刻のひと時。
でも、この丘は、全てが始まる時からこの地を眺め続けている。
遥か昔、この丘が生まれた頃から・・・ドナウがまだまだ小さな小川だった頃から、ここまでの大河になるのも眺めているのだろう。
だから、僕の見た一時なんて、この丘の記憶からすれば、針の一点にもならないのかもしれない。
目の前はもう闇の中。でも、闇の訪れと同時に、ブダペストは星となる。さっきまでの空の変化はなくなっても、今度は町中の光が煌き始める。
遥か昔、ドナウがまだまだ小さな小川だった頃、この丘は時の半分を闇夜と過ごしてきたはず。でも、わずか1000年前に誕生したこの町が、夜のきらめきを作り出してくれた。真っ暗だった夜は、光が踊る世界へと変化した。目の前に奇跡の光景を作り出してくれた。
そっと目をつむってみる。すると、この丘の記憶がゆらゆらと見えてくる気がする。
・・・・・・・・・
悠久の大地に、遥かなる大河、それ以外に何もなかったその土地に、どこからか人間が現れた。それ以降、闇になると現れる見慣れぬ赤い光。この丘が初めて見る”火”だった。
はじめはその人間達の動きが楽しかった。だって、ごま粒のようなその人間達は、時と共にこの地に不思議なものを造り出していくのだから。目の前のブダ地区に現れた家々・・・それは長い年月と共に広がっていき・・・ついには小さな町となった。すると、これまで何の変化もなかった目の前の川に、何かが次々と現れ始めた。それは”舟”というものだった。
舟の到来するようになったこの町は、更に発展を続けていく。しかし、それが故に争いというものも起きた。せっかく造ったものを何故壊すのか・・・美しかった世界を、何故傷つけるのか・・・どうにも理解ができない、やりきれない年月も続く。人間というのはおかしな生き物だな・・・そう思った。
でも、そのような曲折の中に生まれた目の前の王宮。17世紀に誕生したブダペスト王宮が、目の前の世界に劇的な変化を与えた。遥か昔は、風がいたずらをしただけで吹き飛びそうだった家々・・・でも、目の前の王宮は、とてもそんな人間達の造りだしたものに見えなかった。大自然から見ればまだまだ新参者の人間・・・面白い生き物だな・・・そう思った。
それ以後、対岸のペスト地区も劇的な変化を遂げた。というより・・・いつの間にか目の前のブダ地区を凌ぐほどの町へと変わっていた。そんな中、この町の人間は、今度は目の前の大河に何かを造り始めた。それが、王宮建造の時と同じ様な衝撃を与えてくれた・・・”くさり橋”だ。大河の上を往来する人々・・・ブダとペストが結ばれた瞬間だった。
ブダには王宮があり、ドナウにはくさり橋がある。あとはペストだけ。この2つと肩を並べるようなもの・・・きっと人間は何かを考えているに違いない。そしてその時は訪れた。
19世紀後半、ペストのドナウ岸に、無数の人間が動き始めた。ついに何かを造ろうというのか。期待した。王宮とくさり橋のインパクトに見合う何かを造っているのだろうと・・・。
1902年。ブダペストは完成した。ブダの王宮・・・ドナウのくさり橋・・・そして、ペストに現れたのは・・・国会議事堂。期待以上だった。というか、度肝を抜かれた。王宮と橋だけでも十分なインパクトだったのに、まさかここにきて世界屈指の名建築とよばれる国会議事堂までもが誕生する・・・この町の人間に脱帽した。
・・・・・・・・・
ゲッレールトの丘の記憶を辿ってみた・・・そして、ふっと目を開けた。
目の前には、暗闇に輝く王宮、くさり橋、国会議事堂。
国会議事堂を消してみる・・・ああ、これが19世紀後半にこの丘が見た景色。
続いてくさり橋を消してみる・・・19世紀半ばの景色。
最後に王宮を消してみる・・・17世紀初頭の景色。
この丘は全てを見てきた。ブダペストに訪れた全ての景色を見てきた。
涼やかな風が丘の上を横切る。その風にのって、ゲッレールトの丘は静かに目の前の観光客達にこう告げているのかもしれない。
「今のブダペストは美しい。でも、もうここから先は見たくない・・・きっとこの景色を壊す何かが現れる。かつて武器を振り上げて王宮を壊した人間達を見たことはあるが・・・今度は見えない何かで壊そうとしているのだから。」
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜ブダペスト〜でご紹介中です。
今回のブダペスト旅行、2泊3日の満喫旅行でしたが、本当に素晴らしい景色をたくさん目に収めてきました。でも、やはり最も印象に残った光景は、ゲッレールトの丘で過ごした夕刻のひととき。たった1時間程度という時間の中で、ブダペストの全てが見えたような気がしました。
世界一とも評されるような美しい町を見下ろして思うこと・・・。この丘のいただきで静かに時間を見守る観光客たちの思うこと・・・その一部を、ここに表すことができたと思います。
世界一美しい町とも評されるのは確かです!ドナウの両岸、ブダ王宮にしても国会議事堂にしても、それをつなぐ鎖橋にしても、ダイナミックな感動を与えてくれます。グルメもおいしい、温泉も楽しめる、ショッピングもお土産もたくさんあり、観光都市としての全ての要素が5つ星ともいえるような名都市です。見所は数え切れませんので、ここでは代表的な10のスポットを取り上げます。
ゲッレールトの丘 | 王宮の南側にある標高235mの丘で、ブダペストで最高のビュースポットとして有名です。それどころか、世界一夜景の美しい都といわれていますので、世界一綺麗な都市のパノラマが見られるスポットといっても過言ではないと思います。また、丘の中腹には、名前の由来ともなっている11世紀のキリスト教宣教師聖人ゲッレールトの像があります。最高の景色を思い出にして下さい!絶対に外すことのできない名スポットです! |
くさり橋 | 欧州最大の国際河川である、有名なドナウ河に架かるブダペストのシンボルの1つです。ドナウに架かる多くの橋の中でも最も美しい橋とされ、闇にライトアップされた姿がくさりの様に見えることから、この名で呼ばれています。ブダペスト観光でこの橋を見ないということはありえませんが、必見のスポットです! |
ブダペスト王宮 | 元々は13世紀に建てられた城でしたが、16世紀に荒廃したものを17世紀に有名なハプスブルク家が再建しました。そして、現在のような高台に立つ巨大な宮殿へと変貌を遂げました。ドナウ西岸のブダ地区の最大のスポットで、くさり橋、国会議事堂とともに、ブダペストのシンボルの1つです。 |
国会議事堂 | 1902年に完成した国会議事堂は、世界屈指の名建築のひとつとされています。目の前にしたその迫力は、間違いなく言葉を失うと思います。対岸の王宮や漁夫の砦から眺めたとしても、圧倒的な存在感を誇ります。ペスト地区の最大のスポットです! |
漁夫の砦 | 王宮の北側にある建造物で、1896年の建国千年記念として着工され、1902年に完成をみました。いくつもの白亜の円錐形の屋根が印象的で、ここから眺める対岸の国会議事堂は本当に見事です!王宮のすぐ近くなので、セットで行くようにしましょう! |
聖イシュトヴァーン大聖堂 | 建国1000年を記念して建てられた、ペスト地区にあるブダペストの大聖堂です。その内部には、名前の由来ともなっている初代国王イシュトヴァーンの右手のミイラがあり、見学も可能ですよ。 |
ゲッレールト温泉 | ブダペストはヨーロッパ稀有の温泉都市でもあります。市内には数多くの温泉療養施設がありますが、その中でも最大規模にして最も有名だといえるのが、ゲッレールトの丘の南にあるこの温泉です。 |
ヴァーツィ通り | ペスト地区にある、ブダペスト最大の繁華街通りです。ここにくればブダペスト土産がすぐに手に入りますよ。大都市の繁華街だけあって、様々なショップが連なり、人の流れが凄いことになっています。 |
リスト広場 | ハンガリーの偉大な音楽家、リストに由来するペスト地区の広場です。お洒落なカフェがたくさんあり、地元の学生や観光客でいっぱい!観光気分を楽しめるグルメスポットですよ! |
アンドラーシ大通りと英雄広場 | 建国1000年を記念して造られた英雄広場。ペストの中心から北東に2.5キロも伸びるアンドラーシ大通りの突き当たりにあります。この広場と大通り自体が世界遺産にもなっており、途中リスト広場やリスト晩年の家など、幾つかのスポットにも行くことができますよ。 |
これぞ世界遺産!というブダペスト。世界的に見ても屈指の名都市だと思いますので、訪れれば最高の思い出が作れること間違いなしです!楽しんできてくださいね。
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