ドイツ南西部、バーデン=ヴュルテンベルク州の州都であり、周辺一帯を緑の丘陵やブドウ園に囲まれたドイツ指折りの大都市。19世紀にはヴュルテンベルク王国の首都として栄えた。メルセデス・ベンツで有名なダイムラーやポルシェなどのドイツを代表する大企業の本社が置かれ、ドイツを代表する工業都市でもある。
一方で、毎年クリスマスの時期には世界最大といわれる大規模なクリスマス市が立ち、綺麗にデコレーションされた屋台が立ち並ぶ旧市街周辺は、世界中から集まった多くの観光客たちで大変賑わう。
13世紀に都市特権を得て以降発展を続けるが、17世紀の30年戦争の際に人口が9,000人から4,000人へと激減、大きく荒廃することとなる。
その後今の地位を確立したのは、1806年にヴュルテンベルク王国の都となってからである。それ以降、その地の利を生かした緑に囲まれた文化都市として、またドイツ屈指の大企業が軒を連ねる工業都市として発展を続け、周辺都市と合わせたシュトゥットガルト都市圏は人口100万人を超えるまでに発展。
また、州立歌劇場やシュトゥットガルト管弦楽団、バレエ団などは世界的に有名となっており、ドイツ有数の文化都市としても認知されている。
Data
帰属連邦州 | バーデン=ヴュルテンベルク州 |
街道 | ファンタスティック街道 |
人口 | 591,528人(2006年) |
郵便番号 | 70001-70619 |
有名なお祭り | カンシュタッター・フォルクスフェスト |
クリスマスマーケット | |
有名な出身者 | 哲学者ヘーゲル |
Myおすすめ度 | ☆☆☆☆ |
キャッチフレーズ | 募集中です・・・ |
公式サイト | www.stuttgart.de |
Map
ドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州に属し、ドイツ最大の森林地帯シュヴァルツヴァルト(黒い森)の縁に位置している。
また、都市部周辺にはなだらかな丘陵地帯が広がり、延々と5kmも続く緑地帯はグリューネU(緑のU)と呼ばれ、緑の息吹く季節には大変美しい風景を作り出す。GoogleMapを見る
Access
■ フランクフルトからICEで約1時間20分
■ ミュンヘンからREで約3時間半(ウルム経由)
■ ミュンヘンからIC/ICEで約2時間半
■ ハイデルベルクからRE/RBで約2時間
(ハイルブロン経由)
※IRE/RE/RBは普通電車です。また、バーデン=ヴュルテンベルク州内であれば、週末と平日9時以降は、州内1日券が使えます。ICやICE以外は1人なら19ユーロで乗り放題ですのでお得です!
また、ミュンヘンから向かうのであれば、ICやICEよりもRE/RBを利用した方が時間の割にずっと安いのでおすすめです。
世界一有名なクリスマスマーケットが開かれるという、バイエルン州第2の都市ニュルンベルク。
世界一歴史のあるクリスマスマーケットが開かれるという、旧ザクセン王国の首都ドレスデン。
そして、世界一のもう1つの称号はここ旧ヴュルテンベルク王国の首都シュトゥットガルト、世界一大きなクリスマスマーケットが開かれるという。
単純に「世界一」の言葉に弱い僕は、これを知ったとき、クリスマスマーケットの何たるかも知らずに、ただ行きたくなった。そう、僕にとっては初めてのクリスマスマーケットだった。
有名という言葉はどうも実感が伴わない。単純に知名度が高いのか、訪れる観光客の数が多いのか、何となく漠然としている。後にニュルンベルクに行き、その世界一有名なクリスマスマーケットを体験してきたが、その華やかさ、お客の多さ、規模、どれをとっても凄いクリスマス市だという感激は覚えたが、有名なのかどうかはよくわからなかった。
ドレスデンのクリスマスマーケットには残念ながらまだ行ったことがない。きっと世界一古い歴史をもつという言葉を納得させるだけの素晴らしいマーケットなんだろうが、500年以上昔の初回から生きてるわけではないので、そういう意味では実感は湧かないと思う。
でも、世界最大ときたら話は別だ。一目瞭然だから。一度手に入れたら消えることのない「世界一有名」や「世界一古い」と違って、「世界最大」は確かに目で見て世界一大きくないといけない。そういう意味では一番イメージの湧きやすい、一番説得力のある世界一。
すごかった。半端なくデコってた。そして、とにかくでかかった。
ベンツのロゴが空で回転する中央駅。一直線に伸びる目抜き通り、路面が見えない。両脇の建物の谷間を流れる川のようだが、あまり綺麗とはいえない。いや、むしろ気持ち悪い。そこに交われば、まさに濁流。前も見えず、両岸の岸にもたどり着けず、ただただ身を任せて溺れそうになりながら流されていく。
時々流れのおさまる所がある。川の中洲から、今度は音楽が流れてくる。民族楽器から奏でられるゆるやかな音楽。寒風が身に堪える川の中洲。ここにはところどころこうした流れの緩やかなところがあり、そこではゆったりとした落ち着きの時間が流れる。でも、そんな癒しの流れも一時的、人は皆、また濁流の中へと消えていく。
でも、この濁流、喜びの笑顔と人々の熱気に満ちている。きっとこの先には何かすごい世界がある、そこにただ導かれるようにみんな体を委ねている。
旧ヴュルテンベルク王都、シュトゥットガルトには、ドイツで最も有名ともいわれる広場がある。この町の多くの見所が集結するこの広場の名は、宮殿広場。この空間を包み込むように大きく翼を広げる新宮殿、美しい柱が立ち並ぶケーニッヒスバウ。また、この広場の中央には、1841年、国王ヴィルヘルム1世の治世25周年の記念として建てられた「コンコルディア・アレゴリエ」が天に向かう。そして、この広場に向かって一直線に延びているのが、城壁跡に沿って造られた中央駅から続くケーニッヒ通り。そう、ここにいる人はみな、この宮殿広場に向かって流されている。
大海に注ぎ込むように、一気に目の前に広大な世界が飛び込んできた。
あいにくの曇り空、そして冬の冷えた空気に、この広すぎる景色はいささか寂しそうに映った。辺りを見回しても、さっきまでの熱気はこの広場には微塵も感じられない。てっきり宮殿広場はお祭り騒ぎだと思っていたので、何だか拍子抜け。でも、ここが旧ヴュルテンベルク王国の中心地だと考えると、その威風堂々たる雰囲気を味わうのは心地よかった。
威風はあるものの、冬だけに色彩もないだだっぴろい空間にすら思えた宮殿広場。ところが・・・
押し寄せる人の波は、目の前の広場の淵を回るようにして、反対側の市街地の方へと進んでいた。そう、マーケットの中心は、シラー広場と言われる旧市街の旧宮殿周辺から、その更に奥へと続いていく市庁舎周辺へと広がっていたのだ。ここからはまだもう少し先なのだ。
でも、中心がどこかなんてお構いなしに、すぐそこにはもう既にたくさんの屋台、子供向けの移動遊園地が、ごった返す人の流れに呑まれていた。びっくりした。さすがに、「人の洪水に屋台が流されそう」・・・なんて表現は大げさすぎるけど、まんざらでもない。
宮殿広場入り口のすぐ近くのケーニッヒスバウの前辺りから本格的に並び始めた屋台の列は、宮殿広場の向こう側のシラー広場入り口までに、既にちょっとした町のマーケットを上回るほどの規模になっていた。周りを包みこむ甘いお菓子の香り、じゅくじゅくと鉄板の上で音を立てるソーセージ。グリューヴァインの湯気に誘惑されたり、綺麗なロウソクやオーナメントのキラキラに思わず立ち止まったり。そんな中でも一際目に付いたのが、屋台の屋根を飾るデコレーション。どの屋台にも独特の装飾がふんだんに施され、そのどれをとっても見事な造りに目を奪われてしまう。こんな見事なまでに作りこまれた装飾は、僕の訪れた他のどの町にもなく、やはりシュトゥットガルト特有の"見世物"の1つだそうだ。
そんなこんなで、「ようこそ」の門があるシラー広場近くの入り口までに、既に世界最大のクリスマスマーケットに魅せられてしまった。でも、まだまだ序に過ぎなかった。
大きなサンタの出迎えるマーケット入り口。ふと右手を見るとマスの串焼きの屋台があり、思わず駆け込んでしまった。目に痛いけど、こんなにそそられる煙はない。出鼻から食欲に誘われて、後先考えずに食いついてしまった。グリューヴァイン片手に焼き魚、なんだかオヤジくさいと思いつつ、冬空の至福の一時・・・でも、ここで小腹を満たしておいたおかげで、この後続く長い長い、人人人の長蛇の市をイライラせずに進むことができた。
一体一軒の屋台にどれだけ時間を費やすのか。どこの町にもあるような屋台も多いが、屋根を見ればここはシュトゥットガルト、ここにしかないデコりがマーケットの雰囲気を一層盛り上げてくれる。シラー広場周辺は、またも満員電車を進んでいくような人の流れとなっていたが、その人混みの中でもお客を飽きさせない飾りつけで、時間の流れを忘れさせてくれる。
しかしこの屋台、一体どこまで続いているのか、流れが収まるとふとそう思う。シュトゥットガルトはこれまで来たことがなく、地図を広げる余裕もないし、その必要もないくらい祭りと一体化していたので、どれくらい進んだのかも気づかない。やっと休憩地点といえるような片側に屋台のない場所までたどり着いたが、ここまででも、世界最大ということを知らなければ十分だった。でも、その言葉で名誉を保ち続けてきた祭りであるからには、まだ何かあるのだろう、そう思わせる。
そして、案の定、世界最大という言葉が十分納得できる、痛感といってもいいくらいの光景を目にする。
シラー広場を抜け、屋台の間をゆっくりゆっくり進んできたその先、目の前にはジャングルのような光景が広がっていた。モミの木やらクリスマスならではの葉っぱの装飾、全ての屋台にオリジナリティー溢れる飾りが、まさに盛ってある。市庁舎前のマルクト広場いっぱいに屋台が列をなし、盛られた装飾で通路がいわばトンネルのようになっている。こんなマーケットは、それ以降僕が訪れることになる数々のマーケットでも見ることはなかった。世界一有名なニュルンベルクのマーケットでさえも、シュトゥットガルトのデコりには足元にも及ばない。そして、そんな屋台が無数に広がるこの場所、まさに世界最大のクリスマスマーケットに頷いた瞬間だった。
すごかった。
半端なくデコってた。
そして、とにかくでかかった。
これが感想。やがて空は暗くなり、クリスマスマーケットが一番綺麗に輝く夜が訪れる。でも、シュトゥットガルトのマーケットの良さは、昼と夜の2つの顔がある所。屋根のデコレーションの華やかさを満喫できるのは夜ではなく、明るいうち。そして、夜になれば、イルミネーションは綺麗に輝き、一層ロマンティックで美しいクリスマスを演出してくれる。
そして、グリューヴァインのおかげで今回もドイツ人達と一期一会を楽しむことが出来た。ドイツのお祭りのいいところは、イベントや華やかさだけでなく、その盛り上がりの中でドイツ人たちと触れ合うことにある、と僕は思う。
世界最大のクリスマスマーケット、締めくくりは空から舞い落ちる雪だった。シュトゥットガルトの人達が作ったイルミネーションに、空から舞い降りた贈り物、夢のような幻想の世界に出逢えたこと、本当にいいクリスマスマーケットだった。今はなきヴュルテンベルク王都がもつ世界一の称号、それは「世界最大」だけでなく、もう2つ「世界一デコ」っていて、「世界一幻想的」なものだった。
-町の小窓たち- |
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詳細はフリー写真de小旅行Terminal〜シュトゥットガルト〜でご紹介中です。
僕にとっては、シュトゥットガルトは、クリスマスマーケットのイメージしかありません。2回の旅行がどちらもクリスマスだったからです。1回目の旅行の際にはメルセデス・ベンツ博物館から旧市街まで歩くなど、1日かけてシュトゥットガルトを満喫しましたが、やはりクリスマスの印象がダントツ強いです。
クリスマスマーケットなら、有名なニュルンベルクよりもお勧めです。人混みが嫌いという方には間違いなくストレスがたまると思いますが、屋根のデコレーションは本当に見応えがあり、他のどの都市でもここまでのものは見ることが出来ません。そして、世界最大の評価が十分に納得できるはずです。
緑と花に囲まれた緑園文化都市として、あるいはミュンヘンに次ぐ規模のオクトーバーフェストが開催される都市としても評判ですが、やはりクリスマスの時期こそこの町が最も輝いているんじゃないかな・・・って思います。個人的にも、クリスマスの時期に再訪したい町のひとつです。
シュトゥットガルトには歴史的建造物はあまり多くはありませんが、丘陵地帯にあるというところからも、シーズン中には非常に緑の綺麗な景観が楽しめます。また、美術館、博物館などの施設が数多くあり、町の散策を楽しむというよりは様々な施設の見学をメインに旅行をした方がいいと思いますよ。
シュトゥットカード
Stuttcard(12ユーロ)と18ユーロのStuttcardplusの2種類があり、3日間で市内の多くの施設やお土産などが割引になるお得なカードです。
詳しくはこちら→Stuttgart観光局(英語)
概要 | 中央駅前から旧市街に向かって延びる1km以上続くケーニッヒ通りは、町一番の目抜き通りで、中間辺りに美しい広大な宮殿広場があり、その周辺に新宮殿、旧宮殿、美術館、劇場などの多くの施設が集まっています。更に旧宮殿の南にはマルクト広場と市庁舎があり、周辺は大変多くの観光客などで賑わう繁華街となっています。近くにはStadtmitte(シュタットミッテ)というS-Bahnの駅もあります。 また、中心地を離れた周辺地域にも見所は多くあり、動植物公園やポルシェ博物館、メルセデス・ベンツ博物館などの施設があります。 |
新宮殿 | 中央駅からケーニッヒ通りを進み、ドイツで最も有名な広場の1つ、宮殿広場に出たところで、左に大きく翼を広げる壮麗なゴシックの美しい宮殿です。1807年に完成し、現在では州政府として機能しています。 |
旧宮殿 | 13世紀に水城として建造され、1562年に現在のようなルネサンス様式のものに再建されました。州立歴史博物館としても公開されており、ケルトの時代から3万年にわたるシュヴァーベン地方の歴史を展示しています。また、中庭では随時コンサートが開かれており、私自身クリスマスマーケットのときにコンサートを見ることが出来ました。 |
メルセデス・ベンツ博物館 | 2006年5月にリニューアルオープンし、二重螺旋構造のユニークな外観をしています。ダイムラー、ベンツの1号車から最新のものまで、常時150台が展示され、世界を牽引してきた世界的大企業の歴史を見ることが出来ます。 |
ポルシェ博物館 | 本社工場内にあり、世界を代表する名車ポルシェの歴史の歩みとともに、各時代を走り抜けた名車約20台を見ることが出来ます。 |
シュトゥットガルト美術館 | 2005年3月に、宮殿広場前にオープン。キュービック型の全面ガラス張りのユニークな建物で、内部にはシュトゥットガルト市所蔵の美術品が数多く展示されています。 |
州立美術館 | 旧館と新館から構成されており、新館の方にはドイツ最大級のピカソコレクションが展示されています。 |
州立歌劇場・オペラ座 | 400年の歴史を誇る管弦楽団があり、年間最優秀オペラハウスに幾度も選ばれ、バレエ団も世界的な評価を得ています。まさに世界屈指の有名な歌劇場です。 |
ワイン醸造博物館 | 市街地を一望する丘陵にあり、この地方のワインの歴史や製法などの資料を知ることが出来ます。市街地の近くまでブドウ畑が広がるワインの都シュトゥットガルトのワインは、ヴュルテンベルガーワインと呼ばれ、中でもトロリンガーというすっきりした味わいのワインが人気です。ちなみに、シュトゥットガルトでは毎年8月末から2週間程度、ドイツ最大規模のワイン祭りである「ワイン村」という祭りが催されます。 |
ヴィルヘルマ動植物公園 | 1853年に造園されたヴュルテンベルク王ヴィルヘルム1世の広大な庭園に、1000種9000頭の動物と5000種類以上の植物の世界が広がっています。水族館も併設され、たくさんの家族連れなどで賑わいます。 |
テレビ塔 | シュトゥットガルトを囲む丘陵地帯の頂上部にある塔。宮殿広場から新宮殿に向かって後方の丘陵にあり、展望台からはシュトゥットガルト一帯を眺望できます。 |
こうして見てみると、本当に文化都市シュトゥットガルトというイメージが湧くと思います。町の散策だけで1日が経ってしまうという町が多くあるドイツの中で、シュトゥットガルトは珍しい町かもしれません。この町では、色々と見て聞いて体験するべきです!
のらりくらりと棒読みならぬ棒撮り(ボーっと録りました)の未編集ムービーを公開しています。画質が悪くて申し訳ございません。
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