クリスマスマーケットとは?
ドイツの冬の訪れは早い。10月末には冬の足音が聞こえ始め、11月上旬にはあちこちで初雪が舞い降りる。こうなると、もうドイツは長い冬へと一気に滑り降りてゆく。
でも・・・そんな気候とは裏腹に、ドイツの町はにわかに慌しくなり始める。町では電飾が輝き始め、店の中では陽気な音楽が鳴り響き、不思議とドイツ人たちの顔はしだいに明るく・・・。そう、11月に入ると、いよいよドイツが最も美しく輝く季節、本場のクリスマスシーズンの幕開けだ!
でも、こんなのはまだまだ序章。本当の幕開けは、11月末に訪れるのです!
ドイツにとって、1年で最も重要な歳時がクリスマスシーズン。その中でも、12月25日のクリスマス(キリスト降誕祭)までの4週間を、アドベント(待降節)といい、このキリストの誕生を祝う1ヶ月の最重要舞台となるのが、クリスマス市(クリスマスマーケット)なんです!
11月末には、旧市街の広場などに、木でできた屋台が所狭しと組まれ、ドイツのクリスマスを彩る様々な飾りやオーナメント、プレゼントや木工芸品、民芸品などが並べられます。そして、これらの商品を買い求める人が町に溢れ、更には世界中から多くの観光客もやってきます。こうなると、もはや連日のお祭り状態!
屋台の種類はたくさんあり、寒空に湯気をあげるホットワイン(グリューヴァイン)の屋台はクリスマス市のシンボル!右を見ればソーセージがじゅくじゅくと音をたて、香ばしい煙を立てているし・・・左を見れば甘い香りのお菓子が山のように積まれ・・・空を見上げればツリーの電飾、クルクル光を演出するクリスマスピラミッド・・・そこはもう夢のようなメルヘンの世界です!
酷寒のドイツの冬。きっと夜空から見れば、暗い漆黒の森ばかりで覆われていることでしょう。でも、そんな自然とは対照的に、眩しいほどに輝く宝石のような町が、ドイツ中に散らばっているはずです。キリストを迎える為のこれ以上ない美しい世界が、ドイツ中に広がっている・・・その光の源こそが、このクリスマスマーケットなのです。
ドイツのクリスマス模様
日本のクリスマスといえば、心躍るクリスマスソングが流れる屋内はクリスマス商戦で活気付き、外ではロマンチックなイルミネーション。町はカップルで溢れ、クリスマスツリーで飾り付けられた家の中では楽しいパーティー。これが一般的だと思います。
それに対し、ドイツのクリスマスはどんな感じなのでしょう?もちろん日本で見られるようなシーンもありますが、やはりここは本場!ドイツのクリスマスには、もっともっと様々な伝統や特徴や楽しみ方があるんですよ!以下にご紹介しますね。
- Point1 町はお祭りクリスマスマーケット
何といってもクリスマスマーケットが表舞台です。家の中を飾り付ける為の様々なアイテムをマーケットで手に入れたり、屋台のグルメを味わったり、移動式の遊園地のアトラクションで遊んだり・・・。大きな町では賑やかなお祭りそのものですし、小さな町でもメルヘンの可愛らしさが嬉しくなるような雰囲気が味わえます。寒い冬のはずなのに、雰囲気だけでぽかぽかしちゃいますよ!
- Point2 クリスマス伝統のグルメ
クリスマスマーケットは、オーナメント(クリスマス飾り)目当てばかりではなく、むしろグルメ!焼きソーセージを食べたり、中世からの伝統のお菓子「レープクーヘン」、日本でも有名な「シュトーレン」、更にはドイツ伝統の料理なども味わえますよ!それこそ、日本のお祭りの屋台と同じです!詳しくは、クリスマスマルクトのお土産市場をご覧下さい!
- Point3 ホットワインで歓談タイム
ドイツのクリスマスは、友達や家族と楽しくおしゃべり!オクトーバーフェストやビアガーデンに代表されるように、ドイツのお祭りはみんなでわいわいしゃべりながら楽しむのが基本です!
クリスマスマーケットでは、ビールの代わりになるのがホットワイン(グリューヴァイン)!ホットワインとは、赤ワインに香辛料や砂糖を入れて温めたもので、これがなければクリスマスマーケットなんて言えないというほどのシンボル!体の芯まで温まるホットワインを飲みながら、楽しく語り合うのが醍醐味でもあります。
- Point4 かわいいカップのコレクション
ホットワインが入っているカップは、その町オリジナルの可愛らしいデザインのものばかり!カップはデポジット制になっているので、返せばその分が戻りますが、やっぱりお土産にするのが一番!たくさんの町を回って、このオリジナルのカップを集めるのも、クリスマスマーケットの楽しみ方のひとつです!
- Point5 ロマンチック&メルヘンチックイルミネーション
大都市ほど、光の演出はロマンチック!小さな町だって、メルヘンチックな美しさがあります!東京のクリスマス夜景も素晴らしいですが、ドイツならではのクリスマス装飾が町を煌びやかにします!
- Point6 家庭の伝統アドヴェントクランツ&クリスマスツリー
日本の正月の門松のように、ドイツのクリスマスの伝統は、モミの木などの常緑樹で作ったリースにロウソクを灯すことです!
クリスマスの4つ前の日曜日を第1アドベントと呼び、まず1本目のロウソクをつけます。そして、2週目、3週目の日曜日と、それぞれ1本ずつロウソクを灯し、クリスマスの近づきを実感するわけです!クランツ以外でも、部屋をたくさんのロウソクで飾るのも一般的です。
また、お馴染みクリスマスツリーはドイツが発祥の地といわれ、有史以前から魔よけとして飾られたモミの木などがクリスマスと融合し、現在の形になったといわれています。聖夜の護り樹であるツリーの神秘を感じてみてください!
- Point7 子供の伝統アドヴェントカレンダー
クランツは日曜日ごとですが、アドヴェントカレンダーは1日1日クリスマスの近づきを実感する子供のアイテムです。12月1日から24日までのカレンダーには様々な絵が描かれ、毎日該当の日付を窓のように折り返していきます。24日全てが窓になったとき、いよいよクリスマスが訪れるんです。
- Point8 日本と異なるクリスマスイヴ
いよいよやってきた12月24日。もちろんこの日は特別です!恋人がいようと家族と過ごすのが普通で、イヴに本物の針葉樹によるクリスマスツリーが飾られ、クリスマスマーケットで買った様々なオーナメントが飾られます。そして、プレゼントは親が子供にあげるだけのものではなく、家族みんなが綺麗にラッピングして持ち寄り、クリスマスカードも添えるんです。心のこもったプレゼントにみんなが幸せになれるイヴの夜です!
また、日本の大晦日の初詣のように、夜遅くクリスマスミサに行くことも慣わしです。
他にもポイントはたくさんありますが、主要なものは以上です。他のページでご紹介していることもありますので、是非ご覧になってください!