オクトーバーフェストへ行こう!
約200年前のバイエルン皇太子は、まさか200年後にまでこんな祝祭が続くって想像していただろうか。
1810年10月2日、当時の皇太子であるルートヴィヒ(メルヘン王ルートヴィヒ2世の祖父)と、ザクセン王女テレーゼの結婚式が、ここミュンヘンで盛大に行われました。華やかな宮廷王国の王都であったバイエルンの市民は、そりゃもう大騒ぎ。同時に行われたパレードにも、沿道には溢れんばかりの市民が殺到し、2人の結婚を祝いました。そして、城壁の前に広がっていた草原では、大規模な競馬も催されました。
もちろん当時からも絶対的なビールの都であったミュンヘン。きっとこの日のミュンヘンのあちこちで宴が催され、羽目を外してビールに酔いしれたのでしょう。
そして今年も、ミュンヘンは熱狂に包まれます。あの日は数万人だった宴の規模は、今や600万人。遥か国境も越え、世界最大のビール祭り『オクトーバーフェスト』として。
結婚式の名残で見るオクトーバーフェスト!
元々は結婚の祝典だったオクトーバーフェストには、その名残が幾つかあります。ミュンヘン旧市街から少し南西にあるその会場と、オープニングパレードです!
【会場】
名前はテレジエンヴィーゼ、わかりましたか?そうです、王女テレーゼの名前にちなんで付けられたテレジエンヴィーゼは、あの日競馬が行われたあの草原です!ドイツ語で"テレーゼの草原"。普段は草原のように広大なこの緑地が、祭りとともに興奮の大テーマパークへと大変身します!また、この会場の名前をとって、ミュンヘンではオクトーバーフェストのことをWiesn(ヴィーズン)と呼ぶことの方が一般的です。
【オープニングパレード〜祭りのプロローグ】
いつもどの時代も、王室の結婚式って華やかなもの。中でも、多くの市民がそれを肌で実感できるのが、町中を進むパレードです。そう、オクトーバーフェストの初日の午前中には、あの結婚式を模した盛大なパレードがミュンヘン旧市街中を練り歩き、お祭りの開始を華麗に演出します!
その規模は非常に大きく、今やドイツ国内のみならず、隣国を中心とした世界中の人たちが見世物を演出します!先頭には『Muenchener kindl(ミュンヘナーキンドル)』という、市章にも表された黒フード被った女性、そして市長、地元醸造所の馬車、民族衣装のブラスバンド隊と続きます。その後も様々なパフォーマンスを演じる隊列、馬車などが現れ、先頭から最後尾まで約2時間に渡って旧市街を進み、会場のテレジエンヴィーゼへと向かうんです!
オクトーバーフェストの幕開け!
さてさて、2時間が経ち、華麗なパレードは全て目の前を通り過ぎていきました。でもこれは、この後正午に正式に開幕する、2週間に渡って開かれるオクトーバーフェストの序章に過ぎません!
会場であるテレジエンヴィーゼに着いた先頭集団は、最後尾の到着を待ちます・・・そしていよいよその時が訪れます。
たくさんのビール醸造所の巨大テントが並んだ中のひとつ、Schotenhammel(ショッテンハンメル)のテント内で、まだかまだかと熱狂のスイッチを抑えている大観衆。そして、いよいよミュンヘン市長がこう叫びました!
O'zapft is!(オーツァプトゥ!!!)
最初の樽の栓が開けられたその瞬間、オクトーバーフェストの幕が熱狂と共に開かれるんです!
会場テレジエンヴィーゼの案内図
会場であるテレジエンヴィーゼを中心とする地図です。アルファベットのA〜Nは、祭りのメインとなる巨大ビアテントの場所を表しています。その年によっては多少変わることもあるかもしれませんが、基本的にはこの形が伝統となっています。
※各目印をクリックすると、その場所の名前と説明(ビールの銘柄、価格、特色など)を見ることができます。
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