羨ましい労働時間、イラ立つ対応?!
ドイツの労働事情は、日本とは天と地の差があります。まず、その労働時間を見れば一目瞭然です。ドイツの場合は週当たりの労働時間が35〜38時間程で、残業もほとんどありません。週40時間労働で残業過多でもある日本と比べたら、その差は歴然としていますよね。しかも、ドイツでは土日以外の年間休日は、有給休暇も含んで5週間程度あり、有給消化率もほとんど100%に近い状態なので、日本との年間総労働時間を比べると唖然としてしまいます。何と、日本が1900時間強なのに対し、ドイツは1500時間ちょっとなんです。
でもその反面、サービスされる側からしたら、私たち日本人にはイライラすることが正直多いです・・・。例えば、休みの日は店がやってない(閉店法という法律があります)、お客様問い合わせは午前中だけなんて店や会社も多々・・・。
お客様第一主義の日本人にとっては、店員や従業員の態度があつかましく感じられることがたびたびありますので、ストレスが溜まることも多いと思います。
それでも、世界ではフランスなどと並んで最も労働時間が短いドイツ、働く側にとっては羨ましい限りですよね。
同僚同士の飲み会なんてない?!
仕事は二の次?!・・・そうです。ドイツ人にとって仕事とは、プライベートあってのもの。仕事と家庭を天秤にかけたら、仕事に傾く人なんてほとんどいないといってもいいんです!
そんな仕事とプライベートの区別がはっきりしているドイツ人の生活スタイルとは・・・基本的に早起きして、夕方早くには残業もせずに帰宅し、自分の時間を大いに楽しみます。8時出勤、16時あがりなんて珍しくありません。私もドイツの企業で2週間働いていましたが、17時の終業時間にもなるとほとんどのドイツ人はあっという間に消えてしまいました。いわゆる仕事仲間との仕事終わりの飲み会の時間も、日本人に比べると遥かに少ないといわれています。
また、通勤にかける時間も少なく、30分程度で通えるところに住んでいる場合が多いようです。
仕事に関わるような時間は極力減らし、効率化を求め、プライベートを充実させる、このスタイルがドイツ流なんです。
管理がいい加減?!自分の身は自分で守る?!
ある語学学校でのことです。その学校は支払いなどにしっかりとした定めの期間などがなく、その月の受講料はその月までに直接学校に現金で払うような感じでした。もちろん学校側はしっかりと管理をしているのですが、その時はお互いに落ち度があったんです。
その月の初めでした。たまたまいつも払っている秘書の方がいなかったので、学長に直接支払って領収書を受け取ったんです。ところが、その月の終わりになって秘書から受講料を払うように言われたんです。何故?!払ったじゃん!そう、確か学長に支払ったはず・・・ところが、その時学長は不在でした・・・。そこで私が領収書を持っていれば問題なかったのですが、最悪なことに捨ててしまっていたのです。
払ったけど、その証明がない・・・書類で事を交わすドイツでは、証明がなければ何もいえません。ですが、結局その後、秘書がいつも保管している場所とは違う場所に学長が支払い証明を保管していたことが分かり、二重払いをせずに済みました。領収書は絶対に保管しておくよう肝に銘じてくださいね。
もちろんいい加減なところばかりではありませんが、日本の会社と比較すると杜撰と言わざるを得ないことはたくさんあります。日本にいる感覚を捨て、自分の身は自分で守るという気持ちを常に持つようにしてくださいね。
連帯責任はないのか?!!
私がドイツで一番腹が立ったことがこれです。ドイツの仕事意識において、日本と決定的に違うのが、担当者が明確に決まっていて、「担当外の仕事は客に何といわれようと知らんぷり」という点。
一番わかりやすいのが、レストランなどのオーダー。基本的にウェイターは席で決められているので、担当外の店員に頼もうとしてもスルーされることがよくあります。でも、こんなのはまだまだいい方。
私の経験上では、不動産会社の管理の落ち度から家賃の二重請求をされ、その確認作業に1週間もかかったというありえないことがありました。電話をしてもメールをしても、「担当が不在」、「予約を取ってくれ」、「時間がない」という理由で取り合ってくれず、結局その担当の1週間後の空き時間に予約を入れるという事態に。
結局は向こうの誤りで、最後まで「すみません」の一言もなく、本当に腹が立ちました。でも、ドイツ人は誤りが100%認められるまで謝らないのも文化(?)ですし、予約社会でもありますし、お客は神様なんていうのは馬鹿げた考え方なので、私たち日本人にとっては仕方ないのかもしれません。文化の違いと受け止め、冷静に対応するようにしてくださいね。